危機 ページ9
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Aの技を見た相澤は「他には？」と問うた。
「あ、炎もできますけど」
「それは体育祭で見た。これ、轟も同じことができるか？」
「焦凍ですか……。個性は私と一緒ですけど、使い方はまるで違うので多分無理ですね」
それに、Aだってすぐにできるようになったわけではない。
何度もイメージと訓練を繰り返して、やっとこの精度まで上達したのだ。
弓道をやっていたからこその命中率でもある。
簡単にできると見せられた日には、拗ねてしばらくは口をきかないだろう。
(すぐに私がギブアップしそうだけど……)
そういえば焦凍はどこにいるのだろうか。
セメントスによって形成された地形が邪魔で、奥までは見えない。
「もう少し奥に行ってもいいですか？」
「危ないから気をつけろよ」
「大丈夫です。いざとなったら氷壁で防ぎますから！」
Aが踏み出せば、岩石が高く積み上げられた天辺から爆発音が聞こえた。
──爆豪がすぐ近くにいる。
おそらく必殺技に集中してAには気付いていない。
(このままそーっと焦凍のところに行こう。──……ん？)
頭上からパラパラと小石が降ってきた。
爆豪の爆発によって飛び散ったのだろうか。
しかし自身の周りに影が差したことにより、ようやく己の身に迫っている危機に気付いた。
(──……え？)
見上げれば、大きな岩がAを目掛けて落下している。
突然のことで体が硬直して動けない。
氷壁で防ぐだなんて言ったのはどの口か。
「……っ」
岩が落ちた場所から身を乗り出した爆豪と目が合った。
彼は目を大きく見開き、珍しく切羽詰まった表情で声を張り上げた。
「Aッ！！」
「っ！？」
Aの名前を呼ぶ爆豪の声が耳に届く。
と同時に、飛び出した緑谷が襲いくる岩を強力な蹴りで砕いた。
「……は、」
発目が考案したソールが素晴らしい活躍を見せたが、今はそれどころではない。
ペタンとその場に座り込む。
Aの瞳からは涙が零れていた。
これは恐怖の涙か。
それとも……
「Aさん、大丈──」
「てめー、なんでここにいやがるっ！！」
無事を確認する緑谷の視線を遮るように、爆豪が地面に着地した。
暴言を吐きながらAへと駆け寄ってくる。
手を差し出そうとした爆豪は、涙を流すAを見てぎょっとした表情を見せた。
爆豪を見上げたAは──
逃げた。
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来冠菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！お互い片思いだと思ってるかっちゃんと妹ちゃんが可愛いです番外編もひたすら可愛いですんんん！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月14日 20時) (
レス) id: 1227e26ad4 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば - パスワードはつけないでー!という意見に賛成!少しでも多く先生の作品を見たいのでおねがいします!! (2018年6月11日 21時) (レス) id: f11d3744b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - おぉ、同じ名前の人が……あ、そうそう…今回もまたまた面白いです！頑張って下さい！！！！ (2018年6月10日 21時) (レス) id: cfdb26c000 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ - パスワードつけないでください〜〜 (2018年6月10日 19時) (レス) id: bdf11d6919 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - え！パスワードはつけないでください！見れなくなっちゃう！！_:(´ﾛ`」 ∠):_ (2018年6月9日 20時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年6月7日 21時
