氷と炎 ページ43
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Aは激しく燃え上がる炎を体に纏わせた。
ポニーテールの先に炎が宿り、赤く紅く燃え上がる。
その姿はエンデヴァーを彷彿とさせるものだった。
「そうそう、聞いて聞いて焦凍。実は私、氷よりも炎の方が得意なの」
固形物をイメージ通り創造するよりも、形のない炎をイメージに合わせて形作る方が、Aには合っていた。
手に炎を集中させ瞬時に弓と矢を作り出す。
揺らめきながらも確かに形になっているそれを構えて、兄に向かって容赦なく放った。
「……っ」
迫り来る炎の矢にはっとした焦凍は、反射的に氷の壁を作り出した。
しかし高温で燃え上がる矢は、その盾を打ち破って後ろにいる人物へと突き進む。
氷が砕けた音と同時に、焦凍は右に跳んで回避した。
「お見事」
「く……っ」
穴が開いた氷は、残り火でみるみるうちに溶けていく。
間髪入れずにまた１つ、また１つとAは焦凍に向けて炎の矢を放っていった。
その度に現れる氷壁はどんなに厚くても、必ず高温の矢に破れる。
「……っ」
「ほらほら、氷じゃ炎に敵わないよー？ 左側、使ってみたら？」
「俺は！ アイツの個性は使わないっ！！」
「むぅ……、何をそんなに意地になってんのさ」
むっとした表情でまた矢を構える。
挑発するように全ての矢を左側目掛けて放っているのに、一向に炎を使う気配がない。
「どうせなら“あの人”の個性を極めればいいのに。私ならそうするのにな〜」
そう言っておどけてみせる。
「氷の個性がなくても“俺はお前以上の個性でNO.1になってやる”……なんてね」
「お前……、ぅわ……っぶねぇ」
氷が溶けてできた水たまりに足をとられて、焦凍は体勢を崩した。
中学まで弓道部に所属していたAは、その隙を見逃さず的確に“的”を捉える。
「まぁ、私はヒーローになんてなるつもり、毛頭ないけどね」
笑顔を作りながら、大好きな兄に向かって矢を打ち込んだ。
不安定な体勢への攻撃に、焦凍は器用に氷を使って回避した。
防戦一方。
妹にも容赦ないと思っていたが、意外に攻撃することに迷いがあるのだろうか。
(反撃すれば良いのに……)
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみあ - すみません…昔読んでいて何回も読み直して1番のお気に入りだったので…『原作の知識を与えられたからには全力で関わりを拒否します』のパスワードを教えて貰えませんでしょうか (2022年6月14日 19時) (
レス) id: 03be76b48c (このIDを非表示/違反報告)
椿 - イラストの方をログインユーザー限定にしないでくれませんか？ (2019年6月29日 16時) (レス) id: c09adaf99f (このIDを非表示/違反報告)
血霧の紅月(プロフ) - 絵がとてもうまいんですね！自分もあんなに上手くデジタルかけるようになりたいです！更新待ってます！ (2018年9月15日 13時) (レス) id: 1875e25498 (このIDを非表示/違反報告)
ラハル - とても読みやすく、絵もお上手で羨ましいです！^^*つづきがたのしみヽ(*´∀｀)ノ (2018年8月22日 0時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
庄南 - 絵がすげぇー！作品も、読みやすい！ (2018年8月11日 1時) (レス) id: 46531bb7b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年4月4日 22時
