daily.10 ページ45
◎むらかみさん
2017年12月。
夜更かしの収録。今日はゲストが来てるらしいんやけど、俺には知らされていない。
「今日のゲストの子ね、あたし会ったことないのよ。ほんっとに端正な顔立ちしててね、あんたの仲間だとは到底思えない。」
マツコの言葉にギクッとする。
俺の仲間で、告知がありそうな奴…。
「もしかして、あいつ？」
思い浮かぶのは一人しかいなかった。俺のことを、ちょっとだけ怖がっている、あいつ。
『こんばんは。白岡晴人です〜！』
晴人が出て来た瞬間、スタジオは黄色い歓声に包まれる。そりゃそうや。メンバーの中でこいつだけちょっと若いから、ファン層が微妙に違うねん。
「晴人、こんなとこで何しとんねん！」
『何って、呼ばれたから来たの！呼んだのそっちやん！』
「俺は知らんかってん。お前な、イメージっちゅうもんがあるんやからこんな夜中の番組は断れよ！」
『なんでよ！信ちゃんがおるから来たんやん。マツコさんにも会いたいし。』
「あーじゃあもう、告知だけして帰れ！なっ！」
『なんなん、信ちゃん俺のこと嫌いなん？』
あかん、またこの調子や。
先が思いやられる。
「なに、あんたたちもしかして仲悪いの？」
ちがう、そうじゃない。
俺は、晴人のことを思って…
『信ちゃんは、俺のことを思って厳しいこと言ってるんやんな？』
ああ、やっぱり。
こいつには、いつまで経ってもかなわない。
「せやせや。晴人はそのへん、ちゃんと分かってるもんな。」
そう言って俺は晴人の肩を抱く。
すると観覧席からは再び黄色い歓声が上がった。
今日のゲストは大変や。
外番組にひとりで出るときは、無意識のうちにおバカ発言連発してしまうんやから。
『うん。ってことで、信ちゃん今日はフォローよろしくね。一人で番組出るの慣れてないから。』
「お前、ゲストやねんからもうちょい腰低くせえ！」
＿＿＿＿＿家に帰ったら、久しぶりに晴人からの手紙を開いてみようか。
なんとなく、そんな気持ちになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
