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◎きりやまさん



びっくりした。

だって俺、こんなにも熱くなってる淳太くんを見るのは初めてやったから。

晴人くんは今にも溢れ出しそうな涙を堪えて、真っ直ぐに淳太くんを見つめている。



晴人くんは事務所を辞めてしまうのではないか。

そんな不安で俺の胸は押しつぶされそうになり、
俺は必死に涙を堪えて唇を固く結んで俯いていた。









『俺、がんばる。復帰できるように、がんばる。』







その言葉が聞こえたとき、
俺はハッとして顔を上げた。




「晴人くん…。」






彼は笑っていた。

涙を堪えて、真っ直ぐ前を見つめて。






『だから、2人のことも全力で応援する。桐山と淳太なら、絶対にデビューできるって信じてるから。』




そうだ。この人は昔から、こういう人だった。


明るくて、人懐っこくて、
俺らのことを応援してくれる。






気づいたら俺は、晴人くんのこと抱きしめてた。





「うぐっ、晴人、晴人くぅ〜ん!おれっ、おれら、がんばるがらっ!!きっ、来てくれて、ありがどゔ〜。」




溢れる涙は止まることを知らない。
俺ももう大人やのに、晴人くんの胸でわんわん泣いた。




『やめろっ、鼻水つくやんけ!』




晴人くんはそう言って嫌な顔をしていたけど、
しっかりとその手で抱きしめ返してくれた。




『ふふっ、桐山はほんまに熱い男やな。』





君のためなら、

どこまでも真剣になれるよ。

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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜! (2021年1月30日 17時) (レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です!とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました!無理のないペースで、更新楽しみにしていますね! (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さざ波 | 作成日時:2021年1月23日 1時

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