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◎やすださん
『エイトじゃなくなったら、俺、どうやって生きていったらいいかわからへん。』
ねぇ、教えてよ。
『みんなは俺のこと強いって褒めてくれたけど、ほんとはそうじゃない。これ以上守られたくなかったから、せめてみんなの前では強くありたかった。』
晴人の弱い部分も、ほんとの気持ちも、全部知りたい。
『…ねえ、章ちゃん。弱い俺は、嫌い?』
晴人が僕の顔を見つめる。
彼が僕に助けを求めた意味。
僕がここに来た理由。
それをずっと考えていた。
「そんなことない。僕は、どんな晴人でも受け入れるよ。どんな晴人でも、大好きやよ。」
どんな晴人でも、受け入れる自信がある。大好きだと言って、抱きしめてあげられる自信がある。それを今日、伝えに来たのだ。
僕は思わず、晴人の肩を抱き寄せる。
『章ちゃん、タバコくさい。』
「ごめん。だって、ここに来るのめちゃくちゃ緊張してんもん。」
本当に弱いのは、自分だ。晴人に会うのが、ちょっとでも怖いと思ってしまった自分。
『ここは、緊張するところと違うよ。みんな、俺のこと守ってくれてる。』
人は絶対に変われる。
だって、僕たちはいつからでも、
「これからは、俺らが守る。晴人の心にあるほんまの気持ちを、一緒に守るよ。」
取り戻すことができるのだから。
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donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜! (2021年1月30日 17時) (レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です!とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました!無理のないペースで、更新楽しみにしていますね! (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さざ波 | 作成日時:2021年1月23日 1時