past.7 ページ28
◎やすださん
2011年4月初旬。
晴人の病室に来てしばらくの間は主治医の先生と3人で喋っていた。しかし、落ち着いている晴人の様子を見て安心した先生は“何かあったらナースコールを押してね”と残して出ていった。
僕たちに与えられた時間は30分。
話したいこと、聞きたいことは山ほどある。
『章ちゃん、手紙読んでくれた？』
「うん。読んだよ。わざわざありがとう。」
僕がそう言うと、優しく微笑んだ晴人。
『あの手紙、読みづらかったでしょ。あの後薬減らしてもらったから、手の震えもおさまってん。だから今は、ちゃんと綺麗な字書けるよ。』
「そっか。良かったな。」
僕はベッドに腰掛ける晴人の頭をそっと撫でる。
晴人はくすぐったそうな顔をして目をつぶった。
懐かしい。相変わらず端正な顔立ちだった。
『ねえ。ちょっと真面目な話ししてもいい？』
「ん？いいよ。なんでも言って。」
『嫌いにならへん？』
「そんなん、嫌いになるわけないやん。」
晴人は、窓の外を見つめながら、言葉を選んで、少しずつ話し始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
donco(プロフ) - SEIさん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただけて嬉しいです〜！ (2021年1月30日 17時) (
レス) id: 29bbb7c934 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 更新お疲れ様です！とても読み応えのあるストーリーで、お気に入り登録しました！無理のないペースで、更新楽しみにしていますね！ (2021年1月26日 15時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さざ波 | 作成日時：2021年1月23日 1時
