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｢笛木ー、これ職員室まで運んでくれないか？｣
｢はーい｣
｢1人だと大変だろうから檜山と持ちなさい｣
｢りょーかいでーす｣
箱の中は生徒会の資料。
だから学級委員じゃなくて生徒会か。
うちのクラスに生徒会はわたししかいないから学級委員の檜山くんが付き添いってことになる。
｢笛木さん｣
｢あ、檜山くん？｣
｢うん、持っていこっか｣
｢檜山俺持っていくからいいよ｣
ここですかさず登場イケメンわくさん。
こーゆーとこだよなあ、モテるの。
｢いや、でも俺学級委員だし大丈夫だよ｣
｢あー俺Aと持っていきたいんだよね。変わってくんね？｣
｢....そういうこと。いいよ、変わってあげる。｣
｢さんきゅー。｣
こっそり耳打ちしてるつもりかもしれないけど全部聞こえてるのよそれ(笑)
てことがあって檜山くんとわくが交代した。
なんか話したいことでもあるのかなーってわくを見つめる。
｢なに？(笑)俺かっこいいっしょ？(笑)｣
｢自分で言うと一気にダサいよ｣
｢わくかわいそ〜(笑)｣
そうたにも言われて｢おい！｣なんて言いながら箱を抱えあげるわく。
昔から兄貴肌で責任感あるタイプだったけどこんなことできるようになったんだってちょっと感心。
｢A？｣
｢あーうん？行こう？｣
｢俺持っていくから着いてきて｣
｢重くない？｣
｢全然余裕｣
｢じゃあお言葉に甘えて｣
｢ん、任せろ。｣
｢あーてかさ。わくわたしになんか話したいことあったの？｣
｢え？｣
｢え？だってさっき俺Aと行きたいからって、｣
｢あーそれか。久しぶりに2人でどっか行かね？って言おうとしたの。俺今週の日曜オフだからさ｣
｢行きたい！｣
｢ふは(笑)じゃあ新しくできた駅前のカフェでも行くか！｣
｢最高。あと映画も見たいんだけど、｣
｢あーあの恋愛モノの？｣
｢そうそう。いい？｣
｢もちろん。チケット取っとくわ｣
｢やった！わくだいすき｣
｢っ、お前そういうこと軽々しく言うなよばか｣
｢えーいいじゃん別に｣
｢よくねえわ｣
わくと2人きりなんて入学してから1回もなかったし、
野球部は朝練があるから最近は朝もそうたとかふかだが迎えに来てくれる。
こうやって2人きりで話すのも久々だし、余計に嬉しくて楽しかった。
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作者名：r | 作成日時：2023年3月24日 2時
