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｢てか寒くね、｣
｢わかる、今から夏が始まるってのになあ。｣
｢ん、｣
差し出されたふかだの手。
なにこれ、繋げってこと？
｢なに？｣
｢寒いやん｣
｢うん、｣
｢だーかーらー、｣
繋がれた手、細くて、でもゴツゴツしてて男の人なんだなって。
って、何考えてるのわたし。
｢照れた？(笑)｣
｢うるさい、｣
｢こうするとあったかいっしょ｣
隣を見ると綺麗な顔でニコって笑いかけてくるからこれじゃ心臓が持たない。
｢そこまでさむくないし｣
なんて強がって離した手。
｢えー俺は寒い｣
｢っ、もう｣
もう一度絡められた指先はさっきよりも少し握る力が強くなっていた気がした。
｢ついたぁ〜｣
あれからふかだがさりげなく会話を続けてくれて手を繋いでることなんか忘れるくらい話に夢中な状態で自分の家に着いた。
｢毎回ありがと｣
｢俺がしたくてしてるだけだからいいよ別に(笑)｣
｢優しいね｣
｢よく言われる｣
｢もう言わない｣
｢なんで！(笑)｣
｢あはは、寒いから家入るね。じゃ、気をつけて｣
｢ばいばーい｣
家に入ってからも微かに残る手の感覚。
なんか今日、わたし変かも。
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作者名：r | 作成日時：2023年3月24日 2時
