【男主】無気力少年の受難。【僕のヒーローアカデミア】 (ページ3)

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プロローグのようなもの。ページ3

個性が発現したのは確か...3歳の頃。

僕だって昔は近所の子と外で遊んだりもしてたし、寝ることが嫌！という程には活発だった。

それがガラリと変わったのは初めて個性を使った時。

使った瞬間、頭の中に目の前の友達の負の感情とかがドバっと流れ込んできて、気づいたら僕の前で目をキラキラさせていた友達は遠く離れた隅っこで怯えていた。

心配になった僕はその友達に手を伸ばしたけれど、その手は拒まれて、叩かれた。凄く痛かったのを覚えている。

なんで？どうして？と足元を見ると黒くどんよりした手の形をしたものが僕の足元で蠢いていた。

僕もびっくりした。親に無理やり連れていかれたお化け屋敷より、凄く怖いもののように思えた。

僕は親に泣き付いた。こんな個性イヤだ、って。

僕の両親はどっちもヒーローで、ヒーローに見あった個性を持っているのに、これじゃあまるでヴィランじゃないか！と。

僕の個性は突然変異で出来た物で、両親の個性とは全く関係ないものだった。それが、果てしなく嫌だった。

それでも両親は僕の頭を撫でて、愛してくれた。

どんな個性を持っていようと、どんなに周りの理解を得れなくとも、貴方は私達の自慢の子供って。

きっとその言葉がなければ僕は真面目に、今頃引きこもりでもしてたんじゃないだろうか。

僕はその時に決めた。両親を守れるような、かっこいいヒーローになるんだって！

...でもこの個性でヌルゲーと化した人生は僕の性根を腐らせていって...。

『だるい、眠い...寝ちゃダメ？...ダメかぁ...。』

この始末だ。