＃７０９ ページ34
Aside
和「はい、OK。」
和先生は真っ白な包帯を巻いた。
またすぐにでもやってしまうかもしれないのに、先生たちは毎回綺麗に巻いてくれる。
和「1人で悩み込むのはAの悪い癖だよ？」
A「分かってるよ…分かってるけど、」
…誰にも話せない。
私はまた言葉を飲み込んだ。
どうせ話したら迷惑がられるし、何より先生たちに私の話なんか聞く暇はない。
今だってこうやって和先生の時間を奪ってる。
こんな私…
消えればいいのに…
和「じゃあ、また時間出来たら顔出すからね。」
ポンポンと頭を撫でられて和先生の背中を見送った。
仕事だからって言うに決まってるけど本当ならこんな患者、面倒でしかない。
和先生が開けなかった引き出しの一番下に手をかける。
また病室で未遂なんかしたら迷惑かけちゃうか…
でも、外でやって探しに行かせてしまうのも気が引ける。
私は薬のシートと市販薬の瓶だけ手にして病室を出た。
病院の中で、誰にも止められない場所。
嫌な記憶しかないけど、仕方がない。
私は非常階段に向かった。
…いつか、あの人にストレス発散の道具にされた場所だ。
なかなか見つからなかったあの場所ならば…
私は非常階段の裏で薬をどんどん体の中に収めていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rabbit - ２つに分かれてしまってすみません！ (2019年5月18日 23時) (
レス) id: 3f2f3af7cf (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 蒼紗仁真さんは毎日のように更新してくださっていて、毎日この作品を読むことが楽しみです！これからも無理をせず、お話を書いてください。応援してます！ (2019年5月18日 23時) (レス) id: 3f2f3af7cf (このIDを非表示/違反報告)
rabbit - 移行おめでとうございます！随分前からこの作品を読ませていただいておりますが中々コメントができませんでした。ごめんなさい。 (2019年5月18日 23時) (レス) id: 3f2f3af7cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2019年5月17日 22時
