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雅紀side
Aは大人になったと思っていた。
こんなにも成長して自分の気持ちも伝えられるようになって…
でもそれは昔のAからの成長。
昔のAが幼すぎたんだ。
愛情を注いで貰えなかった幼少期が今のAの後ろ髪を掴んでいる。
翔「ん…死ぬのは怖いね。俺も怖い。死ぬのも目の前の死と向き合うのも。」
A「変、だよね…こんなの。」
泣いているAはピエロの仮面を着けた。
こんな仮面、叩き割ってしまえばいいのに…
雅「変じゃないよ、」
気付いたら会話に割って入っていた。
A「雅紀先生…」
雅「死ぬのが怖いのは当然。それが死にたいと思っていても行動に移すのは怖いし勇気のいる事だし…」
朝の人身事故で電車が遅れたり止まったりしても俺は迷惑だとか思わない。
だってそれは勇気を振り絞って飛んだから。
誰だって死を目前にしたら怖いよ。
その怖いのも飲み込んで楽になろうとしたんだ。
Aも…何度もその直前まで立った。
勇気を持って、恐怖と戦って…
雅「でもね、生きていれば…生きてさえいればやり直せるんだよ。ドン底からの再スタートでもまだやり直せる。全てを失っても…」
だから俺らがいる。
その一瞬を止めるために俺らがいるんだよ。
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ルルモ(プロフ) - 移行おめでとうございます!こっそり楽しく読ませていただいております。 (2019年4月15日 19時) (レス) id: f5d7b6f301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼紗仁真 | 作成日時:2019年4月13日 15時