私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART13 (ページ38)

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＃６６３ページ38

翔side

赤のボールペンでAは手首をなぞった。

A「あ……」

雅「どう？」

A「…近いかも。」

手の動きや感触も実際の行為に近いからね。

Aに合っているのかも。

翔「じゃあ、しばらく気持ちが不安定になってきたりしたらこれやってみようか。」

A「うん…」

頷いたAの表情は複雑そうで(笑)

でも、これ以上自分のこと傷つけてほしくないから。

…と言っても赤ペンもいざとなったら危険物の部類に入ってしまう。

翔「自傷したい、って時に誰かに話せる？」

A「…無理、かも。」

それもそうだ…なんて心の中で言ってみる。

不安定な時にAが自分から助けを求めたりするなんてほぼ無い。

何かいい方法…

雅「ナースコールは？」

A「それもやだ…知らない人くるもん…」

それはつまり…

翔「じゃあ俺らが来るなら押す？」

A「…絶対先生たちなら。」

翔「じゃあナースコールとは別にコールボタン設置してみるか。」

Aは今まで知らない看護師やスタッフが来るのが嫌でナースコールを断固として押さなかったのかも。

そんな考えが浮かんで俺らが出るコールボタンを提案。

A「…本当に先生たちだけ？」

雅「本当だよ。翔ちゃん嘘つかないでしょ？」

相葉くんがAを説得して、設置してみようかとなった。

もちろん、大野さんからの許可が必要だけどね。