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＃１６９ ページ43
Aside
智先生に「無事でよかった」と言われた時、心にあった穴が小さくなっていくような気がした。
昔、翔先生に心の穴が埋まることはないと言われた。
埋まっても脆くなったそこはまた壊れやすくなると言われた。
でも……小さくはなるんだ。
智「さてと…そろそろ医局に戻るね。」
A「智先生…、ありがと。」
智「うん。」
初めて何かが壊れることが消えてしまうことが怖いと感じた。
昔はあんなに望んでいたことなのに…
智「あ、A？」
A「ん？」
智「この世に自分の命よりも大切なものは無いからね。」
A「うん…」
それだけ行って医局に戻っていった。
自分の命より大切なものは無い……
今の私は、きっと自分のこと大切に出来てない。
自分なんか…って何百回も言い聞かせてきた。
だけどそれは間違っていたみたい。
きっと桃をちゃんと守れるようになるのも自分のことを大切に出来てからだよね。
その後、様子を見に来てくれた翔先生に智先生の言っていたことを話した。
翔「じゃあAも自分のこと大切にしてあげないとな。」
A「今からでも、間に合うよね？」
翔「もちろん、1番簡単にできる1番大切なことだよ。」
いつか胸を張って自分のことが大切だと言えるように…
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作者名：蒼紗仁真 | 作成日時：2018年5月22日 11時
