【改】私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART３ (ページ39)

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＃１６５ページ39

雅紀side

あれからしばらくしてAは少しずつ声が出るようになった。

まだまだ不明瞭で大きい声も出せないけどね。

それでも大きな大きな1歩。

そのうち出るようになるだろうって翔ちゃんも練習を休ませた。

そんな矢先のこと。

ガッシャーン！！

Aの病室から大きな物音が聞こえてきた。

俺とニノで急いで向かう。何か嫌な予感がしたから…

ガラッ

和「Aっ？」

ああ、この光景見たことがある…

点滴スタンドも倒れて床には物が散乱。

その真ん中にぽつんと無表情で立ちすくんでいるAの瞳には光がなくなっていた。

雅「ニノ、俺片付けるからAのことお願い。」

和「…分かった。」

桃ちゃんと撮った写真まで投げて…

心に動きがあったことは確実だ。

和「どうしたのー？」

A「んっ……んー…」

………和の問いかけにも反応なしか。

ここまで物に当たるのは久しぶりだよ。

昔はよくあったけどいつも理由はストレスやら自傷欲望ですぐに察することが出来ていた。

でも…ここ最近大きなストレスは失声くらいでそれ以外は穏やかに過ごしているように思えた。

それにAがここまで溜め込んでしまうまで何も気付けなかった自分に腹が立つ。

もし声掛けがきちんと出来ていれば、もっと気にかけていれば今と未来は変わっていたのかもしれない。