雪景色の記憶【ゴールデンカムイ】 (ページ4)

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満月の光ページ4

？「つまり…殺して皮を剥ぐことが前提でこの入れ墨は彫られているってことか？」

『おそらく……』

？「ヒグマが来る前に皮を剥いでしまえばいいんじゃねえか？剥いだ生皮まで追いかけて来ないだろ？」

アシ「いやそんな暇は無い、ヒグマは獲物からあまり離れない。必ず近くにいる。薪を集めるのが先だ」

？「俺達でヒグマを斃すしかねえってことか」

アシ「ヒグマは一度人間を殺すと、罰として人間しか食えなくなる。ドングリ、コクワ、ぶどう、蜂蜜山には美味しいものが沢山あるのに」

？「バレちまったわけだ…人間様が弱い生き物だって」

『…………？』

なんだ…？この、違和感……

アシ「必ずヒグマは来る！一晩中かがり火を絶やすな。暗くては戦えない、薪を拾え」

『”シタッ”を拾ってください。白樺の樹皮のことです。白樺の皮は油が多くて長く燃えるから松明に使えるんです』

？「日が出るまであと十二時間か。長期戦になる、もっと沢山薪が必要だな」

『ｯ！来る！！』

「ガガガガ」

？「うおおでけぇっ！」

アシ「しまったもう来た！下にもぐって腹にしがみつけっ！」

？「射るな！俺に当たる！」

あの男性はまだ生きてたか、良かった

アシ「一か八か射つ」

？「待て！こっちで何とかするっ！ぶっ刺してやるから暴れるな」

『！月が出てきた……』

現代の都会の夜では実感しがたいが、満月の光は”昼をも欺く明るさ”と形容される

アシㇼパが矢を射ったのが見えた。だが、矢はヒグマの頭に当たり、折れてしまった

アシ「！！」

アイヌには熊の頭を狙う習慣が無い。なぜならヒグマの頭蓋骨は装甲のように分厚く、銃弾すら弾き飛ばすこともあるからだ

？「うおっ待て走るな！」

『！！』

私がアシㇼパの腕を引っ張った瞬間

「ゴォアウッ！」

『え？』

あれは確か……

？「野犬？」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿”レタラ”