22話「隊服送る前に誰か止めろよ」 ページ22
「では…いきます…!」
深く深呼吸をして、刀に手を伸ばすやまとちゃん。私とおばあちゃんと、鋼鐵塚さんが見守る。
すぅ…と色を変えていく刀。色は…青だ。綺麗な澄んだ青。やまとちゃん使ってるの水の呼吸だしね。嬉しそうに構えるやまとちゃん。おばあちゃんも嬉しそう。
「次!ほらお前だ」
「あー…私は…えと、」
色、変わらないと思います。多分。呼吸ほぼ使えないし。しかしそんなこととはつゆ知らず、鋼鐵塚さんワクワクしているようだ。
圧に負け、仕方なく刀を手に取る。…が、
「変化…なしィ!?!?」
「すみません。実は私、呼吸ほぼ使えないんです。色が変化しないのはそのせいかと」
「でもお前、最終選別で生き残ったんだろ?それに、これは勘だが弱い訳でも無さそうだ」
そんなに見つめられましても、ねぇ。どういうことだ説明しろ!!!と騒ぐ鋼鐵塚さんに、仕方ないという顔でおばあちゃんが簡潔に話してくれた。
「炎…?鬼だけを…?おまけに傷を治すゥ…?だめだ何言ってんのかさっぱりわからん」
「ですよね」
結局、何も面白いものが見れなかったと愚痴を吐き捨てながら鋼鐵塚さんは帰っていった。そーいや、刀折ったり無くしたりすると凶暴化するんだっけあの人。
色変わんなかったけど、1本1本心込めて作ってくれたんだろうし。大事にしよう。
そして、隊服も届いた。一緒に開けよ!!という可愛いやまとちゃんの隣に並べ一斉に開封することにした。手を伸ばし、広げてみると。
「なにこれ」
「……なんかイメージと違う…」
やまとちゃんの手には、胸元のガバッと開いた隊服。下もスカートになっており、なんというか、甘露寺ちゃん風。あはんな感じ。……大きいもんな、やまとちゃん。顔に似合わず。何とは言わないけど。
そして私。胸元は普通、というか上着は普通。悪かったな無くて。何とは言わないけど。ぶっ飛ばずぞ。だが下どうした。スカートの丈頭おかしいんか?ってくらい短い。やまとちゃんより短い。なにこれ、パンツ見せながら歩けってこと?
あれだな、例のゲスメガネってやつの仕業か。燃やしてやろうかな。
「うーん、これが普通…なのかな、」
「絶対違う。やまとちゃんダメだよ悪い大人に騙されちゃ。毎日の鬱憤をこれて晴らそうって魂胆だな愚図め。嫌なら着なくていいんだよさぁ一緒に燃やしに行こう」
「何言ってるのかわかんないけど怖いよA」
結局、勿体ないからとこれを着ることになった。解せぬ。
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時