21話「ひょっとことことこ」 ページ21
その後、ご近所さんからは食べ物を沢山頂き、それを消費するのに必死だった。美味しいんだけど、量が多いんだよ、量が。その間も、無理のない程度に鍛錬を続け、回復へと向かっていた。
15日後。刀を打ってくれたひと、いわゆる刀鍛冶が家へと来る頃だ。朝からそわそわと追いつかないやまとちゃん。わかりやすいな最高に可愛いよ。
「おばあちゃん。これから来る方はどんな方なんですか?」
「そうね…かなりめんどくさい人。年齢を疑うくらいに。でも、腕は確かよ」
「へぇ…!!」
うーん今の情報だと、鋼鐵塚さんしか思い浮かばないのだが。それに、恐らく何とかしてキャラとの接点作ろうとするだろうしなぁ、ほぼ確実じゃん。
刀、か…。今回の最終選別で、ある程度の鬼なら首を斬れることが分かった。けど、正直あの異形の鬼の首も同じように斬ることが出来たのかと問われると自信はない。それ以上の鬼と今後遭遇する可能性を考えると…例の青い炎のことも放って置く訳にはいかないよなぁ。
一応、この数日の中でおばあちゃんには炎のことは伝えた。青かったこと。周りの木や仲間には燃え移らなかったこと。鬼だけ燃えたこと。気絶していてほぼ覚えていないこと。そして、治癒の力がある可能性があること。
正直信じて貰えないかと思っていたけれど、案外簡単にすんなりと受け入れたおばあちゃん。なんでも呼吸が使えない時点で、この子は何かが違うと思っていたらしい。ごめんなさい呼吸法の才能なくて……ぐすん。
けれど、青い炎の正体はおばあちゃんにも分からず、どうすることも出来なかった。色々調べてくれるとは言ってくれたものの、任せきりにはできないし、もそもそ私自身の問題。
「……なんとかせねば」
遠くで、微かに風鈴の音が聞こえた。その音は徐々にこちらへ近づいてくる。ちりんちりん。ほんとにぶら下げてるんだ。
「どうやら来たみたいだね」
「私!お出迎えしてきます!!!」
勢いよく飛び出して行ったやまとちゃん。待っていると、なにやら困っている声が聞こえた。あーたぶん家に上がる前に地べたで風呂敷から刀出そうとしてるんだろうなぁ、もう絶対鋼鐵塚さんじゃん。う〜〜ビンゴ!!!
「相変わらず人の話を聞かない男ねぇ」
「ははは……」
なんとか家に上がってもらい、お茶を出す。いやぁ、覚悟してたけど…まじひょっとこだな。いざ前にすると、ちょっと笑ってしまいそうになる。ひょっ。
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鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時