18話「細かいことは気にすんな!それワカチコワカチコ!」 ページ18
3人からあの時の状況を聞いた。なんでも、私を中心に一瞬でその場一体が炎に包まれたらしい。しかも青い炎だという。その炎は例の手鬼のだけを燃やし、3人はもちろん周りの木や草も燃えることはなく、気づけば鬼は姿を消していた、らしい。
「結局あの異形の鬼が死んだのか、それとも逃げたのかは分からないけど、あの青い炎のおかげで私たち助かったんだよ」
「しかも、だ。これ。見て」
「?」
ガバッと上着を捲りあげて、上半身を見せてくる義勇。思わずガン見する。うむ、鍛えられているいい体だ!!
「……お前、ちょっとは恥じらえよ」
「ごめんあまりにちょっとご褒美だったもんで」
触っていい?と聞くと顔を赤くする義勇。かわいいねぇ、おぢさんに触らせてェ……あ、ごめんなさい。
「じゃなくて!ここ、傷があったんだ。」
そういえばあの時、義勇負傷してたね。指さされた場所は傷の跡形もなく綺麗に治っている。これも炎の力、ってことですかい??
そもそも気絶してて覚えてないし、そんな力に身に覚えもない。3人の説明も、本当なのだろうけどにわかには信じ難いもので、正直ちょっと頭が追いついていない。けどまあ、でも。
「わかんないけどさ。こうやって無事に皆が最終選別を突破した、って事実があれば別にそんな深く考えるような問題じゃないよ。何とかなるさ!」
「いやいや!!ちゃんと考えよ!?」
「難しいこと考えるの得意じゃないんだもん。あ、そうだ。この藤の花欲しいんだった。誰か関係者の人とか……」
「私が探してくるから!!Aはここで休んでて!ほら冨岡義勇!!行くわよ!」
「え、俺…?」
あの二人、案外いいコンビかもしれないな。2人の背中を見ながらぼんやりそんなことを考えていると、隣に腰を下ろす錆兎。
「……悪かったな。色々、その。態度とか」
「いいよ別に。気にしてない」
「……守ってやらないと、って心のどこかで思ってたけど、そうじゃなかったんだな」
その横顔は少し寂しそうだったけど、スッキリしたようにも見えた。多分気を失ってる間にこの2人、何かあったのかな。
「義勇も義勇で、前に進んでるってことだよ。もう少し信じてあげてもいいんじゃない?せいぜい置いていかれないよう錆兎も頑張ることだね」
「ばーか。誰に言ってんだ。………ありがとな」
「おうよ」
「……あと、さ。お前、なんでも1人で何とかしようとするのが悪い癖って言っただろ」
「そーいやそんなこと言ったね」
19話「またいつの日か会えますように」→←17話「正体不明の力」
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖夏(プロフ) - 楽しく拝見させて頂いてます。私、錆兎が大大大好きなので、この作品まじ最高すぎます!!夢主ちゃんの性格もよき笑応援してます!! (2020年6月22日 18時) (レス) id: a8669a7d2d (このIDを非表示/違反報告)
花札 - そういえば、ひなたさんの推しは誰ですか?それと、有一朗君が死んでしまった所とっても泣きました。カナエさんはどうなるんでしょうかね。頑張ってください!! (2020年6月5日 15時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - ひなたさん» いえいえ!!こんな素敵な小説なら、いつまでも待てますよ!! (2020年5月19日 12時) (レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
花札 - こんにちは、とても面白かったです。(はやく続き読みたい・・・。)更新、頑張ってください!応援してます!! (2020年5月9日 21時) (レス) id: bb31b5d897 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - いくらさん» くそみたいに更新遅くて申し訳ないです…!頑張りますね!!!! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 138242db57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひなた | 作成日時:2020年3月17日 12時