転生先で呼吸が使えず詰んでいる件【鬼滅の刃】

13話「自分で捕った魚って美味いよね」 ページ13

ひとまず、手に入れた水と果物を持ってやまとちゃんの元へ戻ると、眠っていた。一晩中走り回って刀振ったんだもんね、ゆっくり休んでね。

起きたら食べられるよう傍において、再びその場を去る。火をつけられるように木を集めて魚をとってみよう。ついでに何人か鬼を斬れるといいな。


数時間後、私は無事火を起こしパチパチと魚を焼いていた。うん、いい感じて焼けた。塩とかあれば良かったんだけど流石にないか。



「あっ、おまえ！」

「ん？」


声がしてそちらを振り返ると、そこには錆兎と義勇。わーなんで会っちゃうかなぁ。ズカズカとこっちに歩いてくる。



「…何してるんだ」

「何って…魚焼いてるんだけど」


じっと焼かれてる魚を見つめる錆兎。その後ろからひょっこり顔を出す義勇。可愛いなおい。

なんだなんだ、なんの用なんだろうか。聞こうと口を開いた瞬間、錆兎の腹が鳴った。
ぶわっと顔を赤く染めて、こ、これは違う！と言い訳している。あーお腹すいてたのか。



「食べる？」

「いいのか！？」


焼けた魚を差し出すとキラキラとした目で受け取る義勇。ガツガツと魚に食らいついている。食べ盛りだもんなぁ。


「お腹すいてたら実力出せないよ。意地張るのもいいけど、ここは素直に甘えてもいいんじゃない？残りは食べてもいいよ。火の始末だけお願いね」


既に焼けた魚を数本持って立ち上がる。私がいたら食べ辛いだろうしな。邪魔者は退散しますよ。

錆兎の視線を感じたけど振り返らずに進む。こりゃ意地でも主要キャラと絡ませる気だな。最強トリップ主人公逆ハーレムフラグなんてバッキバキに折ってやりますよ。こっちは静かに平和に暮らしたいんでね。

やまとちゃんの元へ戻ると、涙目で抱きつかれた。どうやら不安にさせてしまったらしい。一緒に食べたいからと手をつけられていない果物と取ってきた魚は、何だかとても美味しく感じた。そこから夜に備えて睡眠。


そして、2日目。3日目、4日目、5日目と時間は過ぎていった。夜は遭遇した鬼、そして他の人が襲われている鬼も何度か倒し、累計するとかなりの数を斬ったと思う。昼間は食料の調達。私もやると聞かないやまとに負け、手伝ってもらっている。果物を確保し、川辺で魚を焼く。匂いにつられてやってきた人にも手伝ってもらい、6日目にはちょっとした炊き出しのようになっていた。その中には錆兎と義勇の姿もある。喋ってないけど。
その間、昼間も皆の目を盗んでは鬼を斬って回った。

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