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男は電話で誰かと話している。
自分は像の下敷きになっていて何も動きができない。
自分はまず、「自由に動ける」という意志を持った。氷の塊と石膏像の塊が上からのっているのだ。
まずは氷が溶けるのを待った。待ったが一向に溶ける様子はなかった。それと対象に呼吸がどんどん薄くなって意識がなくなっていく感覚に襲われる。
周りが冷たい空気なのに喉が熱い。なのに自分は冷たくなっていく。風邪をひいた感覚におそわれた。
「...手当てしてやってくれ、俺はそんなに器用じゃあないんだ...彼に...そうだ...アンタの名前は何て言うんだ？」
「.......ぁ」
うまく声が出なかった。
だんだん意識が遠のいていく、消えていく。
記憶はプツリと途切れた。
「あーあ、アンタが早く手当てしなかったから気を失ったじゃあないか」
「...お前、口だけは立派だよな」
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