元彼×今彼＝方程式の答え【凪 誠士郎】

私がどんな思いで。 ページ3

結局私は足の痛さには勝てなくて凪くんにおんぶしてもらって家に向かってる



凪くんの背中にとりあえず大人しく乗ってる






……どうして私はこの人におんぶされてるんだろ



この人(凪くん)は私を一方的に振ってきて



《別れよ。》



私は凪くんが



《私、別れたくない…。》



大好きだったのに。



《俺、他に好きな人がいる》



本当に好きだったのに。



《俺の事は忘れて。》




私は揺れる凪くんの後ろ髪を眺めながら




静かに泣いていた




(今更、優しくしないでよ。)




━━━━━━━━━━━━━━━




━━━━━━━━━━━




「着いた」



「……ありがとう……」



私は鍵を探すが




無い。




「どうしたの？」


「…鍵が無い。どうしよう。」





「あーこれ？A、転んだ時に落ちてたよ」


「……ありがとう。」




私は凪くんが持っている私の家の鍵を受け取ろうとする



が



「……なんで返してくれないの？」




「話したい事あるんだけど、家来てくれない？」


「最低。私の怪我、気遣ってくれたと思ったのに。」


「怪我を心配したのは、ほんとー。Aが鍵をたまたま落としたから」


「……やり方が最低。凪くん」



「A、少し俺に時間頂戴」





ここで言い合いしても凪くんと付き合ってた私には分かる



凪くんは1度言うと中々折れない。



「……もう分かった。少し、」


「ん、俺ん家、ここの裏だから」



「え？」



凪くんの家は私の家のアパートの真裏だった



白宝高校に入る為に私は一人暮らしをしている。



凪くんも同じらしい。



全然知らなかった。最悪……






「……お邪魔します……」



礼儀だけは元カレと言えど、しっかり。





「で。何？」


「ちょい、なんで玄関？」


「中に入る必要ある？」


「中まで来ないと鍵返さないから」


「……何がしたいの凪くん」



家に帰れないのは困るので仕方なく靴を脱ぎ、家の中へ



部屋は……必要最低限の部屋って感じ



物が少ないから割と部屋も片付いてる。



サボテンが窓側に配置されてる



「で、何？」


「あのさ、Aと玲王っていつから付き合ってるの？」


「……え？なにそれだけ？」


「答えて」


「そうだよ。付き合ってる。玲王も言ってたでしょ」


「へー」







「もう付き合って1年だから」



「……へー」



少しだけ返事が遅れて返ってきた

恋愛は上書きって嘘じゃん→←元カレと私

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す