元彼×今彼＝方程式の答え【凪 誠士郎】

朝練に行きなさい ページ12

「…玲王の夢がなんで寄りによって凪くんなんだろ」




私は次の日、凪くんの家の前に来ていた



朝練は6時半から8時まで



簡単な服に着替えて、凪くんの家のインターホンを押す





ピンポーン




「……寝てる？」




ピンポーン


ピンポーン



「…出ないな…」



ピンポーン



ガチャ




「…んにゃ…誰デスカ。？」



「私」



「え？」


寝癖でぴょんぴょんはねている髪の毛、ぼーっとした目



これは完全に朝練行く気無かったな



「なんで？」


「今日、朝練誘われてたでしょ？早く準備して朝練に向かって」


「そのために来たの？」


「玲王の夢に凪くんが必要みたいだから」


「んぇー」



この寝起きの顔を見るのは2回目だ。
…1回目はもう忘れたいけど


「じゃー朝ごはん作ってよー」


「何言ってるの。私は朝練に行くのちゃんと見届けるために来たの」


「なら朝練行くのにご飯しっかり食べなきゃでしょー作ってー」


「作らないよ、コンビニでいいでしょ」


「じゃー朝練行かない」


「…この…」



仕方ない。ここで帰って、
鍵でも締められたら絶対凪くんまた寝て朝練行かなくなるしな…


「もーわかったよ。なんでもいい？」


「いいー」


適当におにぎりでも握るかと思って凪くんの家に上がる



ところがだ



「ちょっと凪くん。ゼリーばっかりじゃん！」


「んぁー」


「んぁじゃない！私の事騙した！」


「騙してないー」


「だってこれじゃ作れないじゃん。」


「んー、そこに面倒くさくて作ってないカップ麺あるからやってー」


「……」



私もお腹減ったのでカップ麺2つにお湯を注ぐ
凪くんにはこのくらいのお駄賃は貰わないと



「はい」


「ありがとー」


ズルズル…



「…食べたら朝練行ってね」


「Aは行くの？」


「今日は行かない」


「へー」



「じゃあご馳走様」



「じゃー俺も行かない」


「な…玲王待ってるんだよ！」


「A行かないなら行かなーい」


「ダメ！玲王の為に行って！」


「じゃー」






「チューしてくれたらいいよ」





「ド却下。」




「じゃー俺からするー」



「ダメに決まってるでしょ！」


「うぇー」


「もう帰る…！」




「ダメ。」



凪くんは私の腕を掴む






「……俺に時間頂戴。」

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