【d!】鬼の子は苦労人【男主】

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A視点


治療した男の人が起きて来た。

鬼のツノを見られるのが怖かったから、灰色の布を被ってツノを隠した。

男の人は部屋を軽く見回してた。あんまり綺麗じゃない部屋を見られるのも恥ずかしかったから、男の人に近付いて、声をかけて見た。

A「よかった！目が覚めたんですね。ちゃんと止血ができているかドキドキしました」


近付いてみたら背丈は結構大きくて、びっくりしてしまった。ほぼ初めてに等しい人との会話に、自分がちゃんと喋れているか不安になる。


sho「あの…お前が助けてくれたん？」

A「助けるなんてそんな…。あなた、迷いの森でたおれていたんですよ。ぼくはちりょうをしただけです。」

sho「それを助けるって言うんよ。ありがとな！名前聞いてもええか？」

A「いえ…あ、ぼくの名前はAです。」

sho「Aか〜！！俺はシャオロンやで。」

A「…！！シャオロン、さん。よろしく、おねがいします。たって話すのもなんですし、すわりましょうか」


男の人はシャオロンさんと言うらしい。明るい喋り方に、なんだか嬉しくなってしまった。



其の儘何個か質問に答え、会話を交わした。

その時、一つの質問が投げかけられた。


sho「…なんで、Aはフード被っとるん？顔見えへんくない？」

A「あ、………ぼくの、顔を見ても、得はないので、…」


恐れていた質問に顔が強張る。


sho「なんで？誰でも顔見たって得なんて感じへんやろ。…あ、もしかしてなんかコンプレックスとかある？え、ごめ…」

A「ち、ちがうんです！きっと、こわいおもい、させてしまうから…」


鬼のツノなんて見たら、きっと怖がるに決まってる。


sho「…A、俺は軍人っていう、世の中の怖いことたっっっっくさん詰めた職業なんや。やから、Aの顔見たってな〜んも感じひん。だから、大丈夫やで。」

A「……ほんとですか？」

軍人が何かはわからないけど、嘘を言っているようには思えなかった。

sho「ほんまや！約束する。指切りげんまんする？」

A「…ゆびきり、げんまん？」

聞いたことのない言葉に首をかしげる。

sho「あれ？知らん？今頃の子はそうなんかな…？じゃあまず小指出して」

A「…？うん…」


おそるおそる、小指を立てて差し出した。


sho「こうやって、小指を結んで、歌を歌うんや。「指切り拳万、嘘ついたら針千本飲〜ます、指切った」って」

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