【d!】鬼の子は苦労人【男主】

10． ページ12

sho視点


その頭にあったのは、日本の尖ったツノだった。

赤く光るそのツノは、左右長さも平等で、いっぺんの欠けもなかった。


俺は、そのツノ_____より！！！！！！！！！


sho「なんやこの格好！！！！！！！！布で隠れてたけど、酷く荒れとるやないか！！！」


その格好に心配が湧いた。


灰色や白や茶色などのまるでボロ雑巾のような布を辛うじて糸で縫い合わせた程度の服、その縫い目の隙間から露出するたくさんの傷。灰色の大きな布で気付かなかったが、酷く全身が荒れている。


本人はそっちに反応するとは思わなかったと言う顔をしているが、そんなのどうでもいい。

机を立って、Aの前に行って、静かに手を取って言った。


sho「なぁ、どうしたんや？この格好、どうやったらこんなに怪我するんや、どうやったら服がこんなにボロボロなんや…？近くに村があるなら、そこで買えばええやん、なんでや…？」


Aは何も言わず、ただ何かを含んだような顔をしながら、静かに黙っていた。



その時、扉のノックが部屋に響いた。

Aは扉の前に移動して、「は〜い」と言いながら扉を開いた。

11．→←9．

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す