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Yoshinori side
流星がそう言ってからというものの、俺たち6人はチラチラとAの顔を見ているけど
全員が首を傾げている。こじけんにいたっては「ファンデーション塗りすぎやな」と決めつけにかかっている。
流星が自分のレッスン室に戻るときに「A、もししんどかったら帰りや」とサラッと伝えたのを見て、やっぱり同期でずっと一緒にいただけあるなあ、なんて感心した。
まあこじけんも同期やけど。
休憩を終えて振り合わせを再開。みんな流星の言葉が引っかかっていて、引き続きAの様子を見ることにした。
たまに大晴が「A、しんどい？」って言っているのを見て、さすがやなあと思ったり。他のメンバーも心なしか口調が優しくなってる気がする。
俺も「体調わるいん？」と聞いてみるも、「いや、まったく？」とかしか返ってこん。
いつも通りに見えるこじけんは、今さらAに気を遣うのが恥ずかしかったり、あいつの気持ちを汲んで何も言わへんっていうのもあるのかもしれへんな。
「え、わたしそんなに顔色悪いの？」
そして当の本人はこんなかんじ。
鏡の前で自分の顔を眺めて、「まつ毛ついてるやん。はよ言うてや」とか言ってる。
振り合わせも終わり、「やっぱり流星の勘違いか？」と俺らが思い始めて、こじけんと大晴と佐野がわちゃわちゃしてるのを年長組で見守っていた。
Aはトイレに行ってる。けっきょく最後まで踊ってたなあ。
リ「なあ、A遅ない？」
末「恭平に捕まったんちゃう？」
正「今日リトルもいるみたいやし、風雅に捕まってんのかも」
末「メンカラ紫ってあいつのこと好きよな」
小「僕も紫ですよ誠也くん」
末「やから言うとるんよ」
そんなこと言うて盛り上がっとったら、ちょっとしたノックのあとにドアが開く音が聞こえた。
入ってきたのは、流星。
流「誰か、頭痛薬とか持ってません？ロキソニンとか」
末「俺あるよ。1錠でええ？」
小「歯ぁ痛いん？」
流「ありがとうございます。いや、僕やなくてAです」
佐「あ、Aちゃん歯が痛かったんや」
福「あいつ虫歯あったんか」
流「いや、歯じゃなくて…おなかかな？頭かもしれんけど」
正「てか、なんで流星が薬取りに来たん？A、そんな痛がってんの？」
俺がそう言うと、流星はAのカバンから小さいポーチを取り出した。
流「えーと。言うてしもたら、月イチのやつっぽいです」
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
