あなたに夢中。Ⅰ (ページ2)

今日:182 hit、昨日:405 hit、合計:535,786 hit

振り回されているのは誰だ？ページ2

you side

「おはようございます～」

レッスン室に入ると、集合時間の40分前だというのにわたし以外のメンバーが全員そろっていた。

しかも、6人で円になっているうえに挨拶が返ってこないではないか。

「え、なんで無視？挨拶は人間の基本っすよ！」

どこぞの狂犬のようにキャンキャン吠えてみても、応答がない。

え、なんなん？わたしなんかした？それともドッキリか？

挨拶やお礼がちゃんとできない人間をすごく嫌うわたしの性格。みんなもちろんとっくの昔に理解しているはずだ。

ドッキリやったらこのままほっといたほうがおもろいかな～なんて考えて、6人から少し距離をとってイスに座った。

末「Aおはよう。ちょっとこっち来て」

買ってきた豆乳にストローを刺していると、誠也くんに呼ばれたので飲みながら着いて行くことに。

たぶんじゃなく、めっちゃ怒ってはるわこれは。

でもわたしには、思い当たる節なんて1つもなかった。なんやろなぁ、撮られた…とかならもっと偉い人に呼び出されるはずやし。

「どしたんですか？」

末「まあ、ここ座ってや」

連れていかれたのは6人が円になって座っているところで、座るように指定されたのは誠也くんとリチャくんの間。

え、これまじでちょっとやばいやつ？晶哉くんとか全然目ぇ合わせてくれへんもん。

正「とりあえず、おはようさん」

わたしの性格を知っているせいか、さっきの誠也くんといい正門くんといい、第一声は「おはよう」でちょっとおもしろい。正門くんに続いてほかの4人も、まったく元気のない声で挨拶をしてくれた。

「えーっと、なんかありました？わたしなんかやりました？」

末「やった」

リ「正直、俺は別にそこまで怒らんでええかなと思ったんやけど、正門まで『これはあかん』って言い出したからさぁ」

「正門くんまで怒ってるんですか？」

正「怒ってるというか…」

福「わかる、わかるでまっさん」

佐「僕からはもう何も言えません」

「なんかほんまに申し訳ないんですけど、全然身に覚えないんでハッキリ言うてもろていいですか？」

小「ほら、Aはなんも気にしてへん言うたでしょ」

なんやこの男たち。本当は「さっさと言わんかいボケ！」って言いたいけど、雰囲気があまりに重くてこっちまで萎縮しちゃう。