夏色なみだ【kota × kei】

＊ ページ33

＃こうた









「ほら、ちゃんと言わなきゃわかんないって」


「うるさいなー、高木はだまってて！」


「なにそれ！ひっどーい！」




宏太「え、えっと…」




通り過ぎる人が何人か着ているのを見たけど、確かこれは、『浴衣』？『甚平』？とかいうやつだ


それを着て、なんか光る帽子みたいなやつを被ってる能天気そうな男と


わたあめとかりんご飴とか、なんか色々めっちゃ持ってる同い年くらいの男の人。




慧「え、もしかして」


「そのもしかしてだ」




差し出され慧の手のひらに乗ったグーは、


ジャラジャラと音を鳴らしたあと、離れた。




宏太「…え、や、いやいや！困りますって」


「いいんだ。俺たちそろそろ帰るし」


「余ったんだよね？もらってよ」


慧「ありがとうございます」




ちょっと、慧！


知らない人にお金もらっちゃうなんて、断り方知っとけばよかった


なんてめちゃくちゃ後悔したんだけど




「光くん、よかったの？あげちゃって」


「困ったときはお互いさま、だろ？」


「うん、かっこいい台詞なんだけど、……そろそろ自分で持って。俺が食べちゃうよ？」




別に悪い人たちじゃないみたいだし、


なにしろ慧が満足そうなんだよなぁ




慧「さー！金は手に入れた」


宏太「もー、大事に使ってよ？」




なにはともあれ、今は慧との夏祭りを楽しみたいな

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