検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:352,245 hit

ふとした瞬間にホームシック ページ15

ゾムさんはびしょ濡れになって窓から入ってきた。

ゾムさんが一歩歩く度水滴が落ちるので、総統室の床はあっという間に水に濡れた。

「ーーー。〜♪」

ゾムさんがぴゅぴゅぴゅ〜と口笛を吹いていると、ガチャりと扉が開いた。

見てみると、両手にタオルを持ち、片方のタオルで自分の髪をガシガシと拭くトントンさんの姿が。

服は濡れていないので着替えてきたのだろう。

「ーーーーーー!!」

ゾムさんに向かってタオルが投げ捨てられ、トントンさんはグルッペンさんと話し始めた。

話しながら、トントンさんは用を終えたタオルを椅子に放り投げる。

(……こっそりな、こっそり…)

びちゃびちゃになった窓や床が気になって、そうっとタオルに手を伸ばす。

トントンさんが一度こちらを見たが、すぐに向き直ったので、使ってもいいのかと開き直りタオルを取った。

ゾムさんが歩いた水の跡を拭いていき、窓を拭く。

聞こえてくる会話はやっぱり知らない言葉で、洋楽を聞いている気分だった。




「……なんで俺、こんなとこ居んだろ」

細かい水滴が残る窓を、タオルの濡れていないところを探してひたすら拭く。

ガラス越しに見える焼け焦げた木が、痛いと喚いてるように見えた。


白い前髪をつまむ。

窓に映るこの青い瞳は、本当に俺のものなのだろうか。

……帰りたいなぁ、家に。

(帰るって、どうやって?)

向こうの誰かにまた召喚してもらう?

…そんなこと、あるかよ……。



「も、ち、づ、き。ーーーーーー?」

「えっ、あー……なんて言いました?」

チーノさんが心配そうな顔をして、覚えたばかりの名前を呼んでくれた。

けれど、俺はチーノさんの言葉を分からない。

勉強しとけば良かったかな。

…知らない国なんだし、そんな機会もないけどさ。

「どうしたの?って聞いてるんですよ」

「ああ、なるほど。ちょっと…ホームシックで」

エーミールさんが通訳してくれて、それを聞いたチーノさんは指で丸を作ってニコっと笑った。

(……っなんか、子供っぽいな…!)

恥ずかしくなって、「ちょっとだけですけどね!」と念を押す。

エーミールさんは笑ってそれも通訳してくれたので、チーノさんもいたずらっぽく笑った。

お昼までの授業時間→←この人達頭がおかしいんだと思う



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (168 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
384人がお気に入り
設定タグ:wrwrd! , 男主 , トリップ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Lento(プロフ) - 南無南無さん» ひぇ…!ありがとうございます……!まだまだ続きますので、お楽しみ下さい♪(カメ) (2020年3月5日 12時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - めっちゃおもろいやんけぇ…!もっと早くに知っていたら…くそう!無念!! (2020年2月25日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 琴律さん» 全然大丈夫ですよw!めちゃめちゃ応援ありがとうございます!続きもよろしくお願いします♪(カメ) (2020年2月10日 19時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)
琴律(プロフ) - すみません!!ほんまにすみません!!間違って低評価してしまいました!!!ほんまにすみません!!そんなこと一ミリも思っておりません!!応援してます!!もうめっちゃおu(( (2020年2月10日 18時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
Lento(プロフ) - 抹茶さん» コメント、応援ありがとうございます!続きもお楽しみください(≧∇≦)♪(カメ) (2020年2月10日 18時) (レス) id: 109e7882d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Lento & こい x他1人 | 作成日時:2019年11月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。