第三十三話 ページ36
重たい足を動かしながら向かう場所は、狭霧山にあるあの小屋。
いつの間にか、オレンジ色に輝いている目の前にある景色。でも今の彼女にはどうでもいい事だった。
貴方「(くそ……ッ!!)」
自分の拳を強く握るA。
____結局、禰豆子と炭治郎を人間に戻す方法が見つからなかった。
話せない鬼もいたし、話せる鬼もいた。だがみんな自分の話を聞かずに問答無用で襲ってくる奴らばかりで……
貴方「(ごめん……ごめんね……炭治郎、禰豆子……)」
鱗滝さんに借りた刀を強く握りながら、走り出す。
走る度に着物から足が出る。それでも身体中がずっと暑いままだった。
太陽がどんどん沈んでいく。
*
_____あたりが完全に暗くなった後、ようやく小屋が見えてきた。
貴方「……着いた」
炭治郎、禰豆子、鱗滝さん……早く会いたい。早く俺を____
そう思った瞬間。
____バンッ!!……と、勢いよく扉を誰かが中から蹴り飛ばし、壊れた状態で地べたに置かれる。
貴方「……は、」
その扉を踏みつけ、Aの方に向く人物。
____それは、眠り続けていた……"禰豆子"がそこには立っていた。
貴方「ね、禰豆子!!
ッお前起きて……!!!」
禰豆「……」
Aの声を合図に、彼女に向かって走り出す。それに合わせてAも走り出した。
ずっと心配していた。ずっと待っていた。ずっと君の瞳を見たかったんだよ。
貴方「ねず_____」
ふわりっ……と、突然優しい匂いに包まれた。
禰豆子だ。禰豆子が俺を抱き締めてくれてるんだ。
___その瞬間、今まで我慢していたAの瞳から、大量の涙がこぼれ落ちてきた。
貴方「ねず……こっ!!ねずこ……!!ッ死んでない……!!しんでない……ぃ゛ッ!!」
禰豆「……」
禰豆子に抱き着き返しながら、動いている禰豆子に泣きつくと、遠くから何かが落ちた音がした。
そのあとに感じる、背中と肩に乗っかる体重。
____鱗滝さんと炭治郎の温もりだ……。
鱗滝「よく……生きて戻った……」
炭治「……」
そう言った鱗滝のお面の下から涙が溢れていて、Aの背中に抱きつく炭治郎は……
______そんな三人を、優しい瞳で見詰めていた。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!鬼滅の刃のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月14日 21時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - ひゃくまるさん» 許可もらった!!嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります!!(`・ω・´) (2019年8月25日 10時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - ありがとうございます!ぜひぜひ、使って下さい!もうすぐ続編なんですね、楽しみです(* ̄∇ ̄*) (2019年8月25日 9時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
アツナ(プロフ) - 上手すぎて目眩がッ!!ありがとです!(興奮)もうすぐ続編なので、使わせてくださいッ! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 42ca496839 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/2/9/d/29de397f5bb1d59cf9a14e1c54b4764a.pngできましたので貼っときます!作者さんイラスト上手いので気に入るかわかりませんが(^-^; (2019年8月24日 18時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2019年8月13日 3時