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arside
いのちゃんについて同じ階の空き教室に入る。
ずっと使われてないみたいで、少し湿っぽいカビの匂いが鼻をつく
「大ちゃん...昨日はごめんね」
いのちゃんがこっちを向いて話しだすけど、逆光で表情が読めない...
「いや...大丈夫だけど...」
「俺のこと嫌いになった？」
「いいや...」
ビックリしたけどいのちゃんのこと嫌いになるわけないじゃん
「そっか...良かった...
あのね...俺今好きな人がいて」
「えっ...」
好きな人？
「でもうまくいかなくて...大ちゃんとみきちゃんはすごく仲良いから羨ましくなっちゃって...あんなことしちゃった...」
「そ...うなんだ」
いのちゃんに好きな人...
そんな話今まで初めて聞いたな
そうとは知らずけっこう惚気たりしてたかも
「俺も......無神経な事言ってごめん」
「ううん...俺こそ」
安心したのか、いのちゃんがゆっくり俺の近くに歩いてきた。
「この学校の人？」
「ないしょ」
「え〜！」
「うまくいったら教えるよ」
そう言って昨日見せた顔が嘘みたいに可愛く笑った。
いのちゃんが好きになる人...
きっと素敵な人なんだろうなぁ...
「いのちゃんなら絶対うまくいくよ」
「ありがと。大ちゃん」
そうだよ...
あんなにモテるいのちゃんがうまくいかないわけないじゃん...
なんだかよくわからない切ない気持ちが胸をかけめぐった。
その気持ちをかき消すように昔の事件を引っ張り出す
「てか謝るんならファーストキスの方謝ってほしいわ‼」
「えっ？何それ？」
「えー‼覚えてねーの⁉俺のファーストキス奪ったくせに！」
そんなことあったっけ〜ってニヤニヤしてるいのちゃん...
こいつ絶対覚えてるな...
「まぁ〜俺のファーストキスも大ちゃんだから！そこはお互い様でしょ」
「＊%$/#....」
そうなのか〜⁉
まぁそれなら確かにお互い様かも...
また変な理屈に納得させられて何も言えないでいると、2時間目の始まりを告げるチャイムの音が聞こえて、俺たちは慌てて教室にもどった。
せっかく解決したはずなのに俺はなぜかまだ胸のモヤモヤが取れない気がした。
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作者名：みー
| 作成日時：2017年3月6日 20時
