Forty 彼の家 ページ41
…………なぜ？
なぜ。……なぜ。………何故？
「あれ…今日もヒソカ来てないのか？」
『……うん』
「そっか。寂しいな」
キルアがいつものように慰めてくれる。
でも、それすらも聞こえなくなってしまった。
―…花火大会から、もうすぐで2週間。
あれから、一度もヒソカと会ってない。
『何よあの糞ピエロ…何で会えないのよ』
「じゃ、お前が会いに行けば」
『わっ！！』
突然耳元で聞こえる低い声。
驚いて声をあげれば、そこにはイルミがいた。
『会いに行く、って…簡単に言うけど
そもそもどこに住んでるかさえ私……』
―…そうだ。
私、ヒソカの家さえ知らない。
そういえば、ヒソカの事…何も知らない。
「……会いたい？」
『……別に』
「あ、そ。じゃ連れて行かなくていいんだね」
『えっ！ ちょ、待っ…』
「……素直になりなよ。ほら、行くよ」
＊
イルミの優しさもあって、彼と一緒にタクシーに乗っている。
“着いた”、と言われれば、広がるのはてっぺんの見えないピカピカのマンション。
『……ここ、ですか？』
「うん。最上階」
『……私、やっぱ行けない
眩しくて前が見えない』
「ならここで1人で馬鹿やってれば」
『ちょっと、イルミ…待って…！』
怖気付いていると、本気で私を置いていくイルミ
さすがの私も、勇気を出してその後を追った。
「―…こっからは1人で行って」
『え、やだ、うそ、まじ？』
「恋人タイムを俺は見たくない」
『……あぁ、そうですか』
めちゃくちゃ早いエレベーターで、イルミが50のボタンを押す。……え、50？
ものの1分で着いたと思えば、イルミについに見放されて。
『…よし、行くか』
「俺はここで待ってるから」
『ん』
緊張して震える足で、一歩ずつ進んでいく。
そして立ち止まる“5045”の部屋。
めちゃくちゃ緊張してる。
マンションのせいでも、…ヒソカのせいでも。
――コンコン
控えめに、ドアをノックする。…返事はない。
しばらく待っていれば、やがて足音が聞こえて。
ガチャ
―…見える赤髪。
思わず笑顔になれば、…それは長髪だった。
「はぁい。……………ダレ？」
『……ッ』
背の高いその女性に、息が詰まりそうだった。
Fortyone どうして→←Thirtynine 花火の音のせいにして
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 190人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おそらまめ@個人経営(プロフ) - れおなさん» うわあああ素敵なコメントを頂いて僕も嬉しい限りです…！また機会があればヒソカの新作作りたいと思ってるのでその時も是非お願いしますね！ (2017年12月14日 6時) (
レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
れおな - 素晴らしいヒソカをありがとうございますほんとにもうわたしの好み理想どストライクなヒソカでしたおかげで明日も生きていけます本当にこんな素敵な作品を生み出してくださってありがとうございますうぅう(落ち着け) (2017年12月12日 19時) (レス) id: 3fff1d4b8d (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - みさん» もう最後はめちゃくちゃ詰め込みましたけれども…！ 最後までお読みいただきありがとうございました！！ (2016年11月6日 23時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
み - なんだかんだ幸せな感じで終わってて面白かった！ (2016年10月17日 10時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - hshshshsさん» わぁ…！ 何て嬉しい褒め言葉でしょうか…。ありがとうございます、更新頑張ります！ (2016年8月24日 7時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おそらまめ
| 作成日時：2016年2月1日 0時
