銀雪戦隊スノーマン -18- (ページ6)

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ビルの地下室

白いベッドの上に居たEVILが目を覚まし、身体に繋がったケーブルとチューブを乱暴に引っこ抜くと、ビルの屋上へと駆けあがった。異変に気付いたライが後を追う。

ライ「こんな時間に何をしてる?」

眩い光に包まれた、夜更けの摩天楼眺めていたEVILの髪が風に靡く。

RM-Ⅱ16EVIL「分からない。」

まだ乾ききっていない血の付いた剣を握る手は震えていた。

ライ「分からない?」

RM-Ⅱ16EVIL「俺は、ここにいるべきなのか。」

ライ「当然。お前は科学結社の戦闘用アンドロイドだ。スノーマンを倒し、シルキースノーを奪え。」

EVILの目が泳ぐ。それをライは見逃していなかった。

ライ「やはり、モジュールの破損でシステムに不具合が出てるか。それなら…」

RM-Ⅱ16EVIL「!!」

自分より背の低いライが突然のしかかり、馬乗りになる。想像以上の力で押し倒すため、驚きのあまり声も出なかった。

ライ「迷いが見られるよ、RM-Ⅱ16EVIL。」

RM-Ⅱ16EVIL「俺に、迷いはない。そこをどけ。」

ライ「俺の目はごまかせないよ。使命を全うしろ。」

懐から出てきたメモリースティックを、EVILのモジュールに突き刺した。

RM-Ⅱ16EVIL「っ…!」

ライ「ガラクタに戻りたくなければ従え。」

耳元でそう囁くと、EVILのメモリースティックが赤く光った。モジュールには”loading...”の文字が浮かび上がる。

RM-Ⅱ16EVIL「ぐわああああ…!」

膨大なデータが止め処なく送られ、苦痛の叫びを上げた。息も上がっている。

モル「騒々しいと思ったら…おおっ?!」

眠い目をこすりながら、着古したスウェットで現れた。しかし、EVILの様子を見てすぐに目を覚ます。

ライ「抜かりないね、流石モル。よく効いてるよ。」

RM-Ⅱ16EVIL「くっ…あああああ…!!!」

モル「当たり前だろ、こういう事だって想定の範囲内だからなあ。」

ライ「良い景色だよ。これは見ものだね。」