Anniversary 2 ページ49
「A、いるんだろ？入るぞ！」
部屋の扉の向こう側へ声を掛けたと同時にドアを開ける。
そうしたらベッドの上で膝を抱えて座るAが目に飛び込む。
俺に気づくと慌ててこちらに背を向けやがった。
「どうしたんだよA。俺、何かしたか？」
部屋の中に入り、Aの肩を掴むと自分の正面に強引に向けさせる。
Aと目を合わせたら、今にも泣き出しそうな顔をして俺を睨みつけてきた。
「あんたまた例の病気が出たね。もうてつやとは離婚する！」
「だから何を急に言い出すんだよお前は。言っとくけど俺はAと別れる気は全くないからな」
「…てつやは私と別れても他に代わりの人がいるでしょ」
「は？代わりの人ってなんだ？」
「私が気づいてないとでも思ってる？見たんだからねっ」
「だから何を？」
「街でてつやがかわいい女の人と待ち合わせしてるの見たんだから！今日は結婚記念日だよ？そんな日に浮気ってなんなのよっ、てつやのアホバカ死ね‼」
「かわいい女？待ち合わせ？」
なんのことだ？
Aの言葉に暫し考え込むとその理由がやっと分かった。
「あーなんだよ…そういうことか。あれは虫の彼女だバカ」
それを聞いてAは驚いたようにきょとんとする。
「えっ、虫さんの彼女⁈」
「お前なんで気づかねーんだよ。勘違いにも程があるわ」
「だ、だってちょっと距離あったしよく見えなかったから…って、本当に虫さんの彼女だったの？なんであんなとこで待ち合わせなんかしてたの、あ、やっぱり嘘なんでしょ？」
「ほんとだっつーの！そんなに信じられねーなら虫に聞いて来い！」
俺がそう言い放つとAは勢い良く部屋を飛び出して行った。
どんだけ信用ねーんだよ、俺。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
