いっぱいキスしよう（2010 years）side TETSUYA 2 ページ29
「うわっ⁈」
けたたましい目覚ましの音に勢いよく起き上がった。
気がつけばそこは自分の部屋で、俺はベッドの上。
窓から差し込む日差しに少し目が眩む。
なんだ、夢だったのか…
上半身を起こした状態ではぁって大きく息を吐くとガシガシ頭をかいた。
しかしなんちゅー夢見てんだよ、俺。
相手Aだぞ？
それとも相当な欲求不満なのか？
なんだかまだ身体にAの感触が残っている気がした。
意味もなく両手のひらをじっと見つめてしまう。
実際のAはどんな感触なんだろう…って、だから俺はなに考えてんだよっ‼
「てつや、起きた？」
少しだけドアが開き、その隙間からAが顔を覗かせる。
どうしてこのタイミングで来るんだよ…
なんだかまともにAの顔が見られない。
そんな俺のことなどお構いなしで、Aが部屋に入って来てベッド近くにしゃがみ込むと顔を覗き込んでくる。
頼む、頼むから今俺の傍に来ないでくれ…
「ん、てつや顔赤くない？風邪ひいたの？」
「ひいてねーよ」
「そうなの？まぁそうだよね、馬鹿は風邪ひかないって言うし」
「そうだよ…っておい！どういう意味だっ！」
「そのままの意味ですけど？」
「はぁ、もうなんだよ。嫌味言うために来たのか？」
「違うよ、暇だから遊びに来ただけ。どうせてつやも暇でしょ？」
「バカ言うな、俺はいつでも忙しいんだよ。お前の相手なんかしてられるか」
「なによ、今まで寝てたくせに」
「これから忙しくなるんだよ！」
「はいはい、ねぇじゃあどっか遊びに行こうよ。久しぶりにイオンモール行ってみる？」
「なぁお前今俺の話聞いてたか？だから忙し…」
「これからなにか用事あるの？」
「いや、まぁ、ないけど…」
「ほら、やっぱり。早く支度してよ、私向こうで待ってるから」
「はーもう、分かったよ」
早くしてよーって言いながらAが部屋を出て行った。
まったく、俺の気も知らないでなんだってんだあいつは。
俺はAのことどう思ってるんだろ。
ただの幼馴染か、それとも…
いやいや、好きなんてことはまずありえねーよな。
いまさらだろ、そんなの。
まぁ確かに、顔は一般的に見てかわいい方だし。
一緒にいて楽しいし、気も使わないけど。
目を閉じたらなぜかさっき夢に見たAの姿が浮かんだ。
「いやだからそんなわけねーだろっ！」
「なに騒いでるのっ、さっさと支度しなさいよ！」
でかい独り言を叫んだあとで、再び部屋の扉が開いてAにそう急かされた。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
