91. もう起きなくちゃ ページ41
まどろみの中、意識が徐々に覚醒していく。
まだ少し頭の中がぼんやりしていて、瞼もなんだか重い。
気がつくと私はてつやに後ろから包み込まれていた。
耳元でてつやの静かな寝息が聞こえてくる。
今何時なんだろうと近くに置いてある目覚まし時計を見れば、朝の8時をとうに過ぎていた。
もうこんな時間、そろそろ支度しなくちゃ…
なんだけどてつやにしっかり抱きしめられていて身動きできない。
どうしよう、ここからどうやって抜け出せばいい？
私はてつやの腕を掴んで横にずらそうとしたり、体を捻ってみたりともぞもぞする。
それで目が覚めたらしく、てつやがさらに私を強く抱きしめてきた。
「どこいく気だよ」
「どこいくって、もう起きるの。支度して朝ご飯作らないと」
「まだいいだろ、たまには朝飯抜きだっていいんだし」
「こんなことしてるうちにみんな来ちゃうよ。ねぇ、離して」
「嫌だ、離さない」
もう、こんなことしてたら時間だけが意味みなく過ぎていくだけなのに。
「ちょっといい加減にしてっ」
私が痺れを切らして振り返ろうとした時だった。
背中にてつやの唇の感触。
それはそっと触れるか触れないかのとても繊細なキス。
「あっ、やぁ！」
ふいの刺激に思わず高く声を上げ背中が仰け反る。
身体が勝手に小刻みに震え、恥ずかしさで咄嗟に両手で口を覆って必死でその行為に耐えようとした。
なのに、今度はその動きが首筋へと移る。
私の身体がさらに大きく跳ねた。
「や、もうやめて…」
か細く訴えてみたけれど、てつやは止めてはくれない。
高まってゆく快楽は、そのまま最後まで続いた。
二人同時に絶頂を迎え、重なり合う汗ばむ熱い肌を直に感じながら乱れた息遣いでてつやの肩越しにただ天井を眺めていた。
今何時なんだろう、本当にいい加減起きなきゃいけないのにもう身体は動いてくれそうもない。
甘い気だるさで起き上がることは無理そうだった。
「A、大丈夫か？」
首筋に顔を埋めながら息を整えていたてつやが顔を上げて私を見た。
まだ意識がぼんやりしているけれど、私は少しムッとした表情になる。
「大丈夫なワケないでしょ、もう身体動かない…」
「すまん、我慢できなかった」
「少しは我慢を覚えて！」
あ、興奮したらなんかちょっとクラクラする…
そんな私にてつやはまったく反省の色を見せない。
「でも気持ち良かっただろ？」
「…バ、バカじゃないのっ！もうてつやなんか大っ嫌い！」
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
