78. 夢の中 ページ28
運ばれてくる料理は凄くきれいな盛り付けで、崩してしまうのがもったいないくらいだった。
そして何よりどれも今まで味わったことのないほどにとてもおいしかった。
食後のコーヒーを飲み終わってから私は口を開く。
「はーおいしいかった。こんな料理初めて食べたー」
「そりゃ良かったな」
「うん、てつや本当にありがとう。じゃあさ、家帰ってまた飲み直そうよ！お酒は私が買うから途中どっか寄って…」
「今日は家には帰らないぞ」
「え、なんで、どういうこと？じゃあどこ行くの？」
私の問いに答えるように、てつやはテーブルにホテルのルームキーを置いた。
これって、もしかして…
「てつや、これ」
「今晩はこのホテルに泊まる」
てつやのその一言であまりにもびっくりしてしまって、絶句したままテーブルの上に置かれたルームキーをじっと見つめてしまった。
今一体何が起こっているのか、そしてその意味を。
私は理解せざるを得ない。
てつやが先にイスから立ち上がる。
「A、行くぞ」
体が一瞬ビクッとした。
顔を上げたら、てつやが真剣な表情をしてじっと私のことを見てる。
そこから悟ってしまった、きっともう逃げられない…
私は覚悟を決めて、その場に立ち上がった。
なんと部屋は最上階にあるスイートルームだったことに私はさらに驚いていた。
室内の大きな窓から見える市内の夜景は、言葉では言い表せないほどとてもきれいで。
思わず窓際へ近づいてその光景に見とれてしまった。
なんだか夢見てるみたいだ…
「すごいきれい…」
「すげ、いい眺めだなー」
私の隣に来て同じように外を見てるてつやの横顔にドキっとした。
どうしよう、鼓動が早鐘みたいにすごい勢いで鳴ってる。
その時ちょうどてつやと目が合ってしまって、私は思わず視線を逸らして俯いた。
もう本当にどうしていいのか分からない。
「俺、風呂入ってくるわ」
そんな私にそう言い残して、てつやはお風呂へ行ってしまった。
辺りを見回して見ると、目の前には大きなベッドがどっしり鎮座している。
私はなんとなくすぐそこから目を逸らして、また窓の外の夜景を見つめた。
もう怖いなんて言えない、てつやにだったらいいよね…
窓に映る自分に私は何度もそう言い聞かせていた。
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かえで(プロフ) - みことさん» 有難いお言葉を頂き本当に光栄です。今後の執筆にとてもやる気がでました！これからの作品もぜひぜひお付き合い下さい。 (2018年2月18日 10時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - こんにちは！完結おめでとうございます！てつやさんオチの作品の中で1番大好きな作品です！これからもかえでさんの作品、楽しみにしてます！(≧ω≦) (2018年2月17日 21時) (レス) id: e05cb40cc5 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ゆうきさん» とても励みになるコメントをありがとうございます。2人の子供の話も書いてみようかなと意欲が出ましたw今後も続編考えていきたいと思います。またお付き合いくださいね！ (2018年2月13日 18時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - こんにちは。コメント失礼致します。かえでさんの小説毎日の楽しみとして読んでいました！今回の番外編の更新もめちゃくちゃ嬉しかったです！！！子供生まれたあとのお話も読んでみたいです…(´；ω；｀) (2018年2月13日 15時) (レス) id: bd844e0957 (このIDを非表示/違反報告)
zawa-mina(プロフ) - かえでさん» はい！もちろんです！頑張ってください！ (2018年2月9日 19時) (レス) id: 2d47d3844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年1月24日 11時
