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九話 ページ10








「んで、お前のやりたいことって?」


「あっ、えっとね」






正直。エースがそこまで僕を大切に思ってくれてるなんて考えもしなかった



僕はグリムやエース・デュースのことが大好き。勿論リドルくんやケイトくん、トレイくんや他の人たちもね


でも、"僕が愛を与えたから君の愛もちょうだいね"なんてそんな都合のいい話あるわけない──否、あっていいわけがない



そう思っていたからこそ、


僕はみんなに"愛されている"という事実を偽物だと無意識に思い込んでた…のかな?



よく、分からないけど…







「『VDC』のこと、覚えてる?」


「?ああ」


「…僕、向こうでプロデューサーっていう、アイドルを補佐する仕事をしてたんだけど」







元アイドルってことは伏せておいていい…よね?


僕はただ、キラキラ輝くあの瞬間を、

もう1度全身で感じたいだけ…だから







「へぇ、学生なのにもう働いてたのか」


「うん。僕、兄さんたちのステージが大好きでね



会場いっぱいに響く歓声、

無数に光り輝くサイリウム、

どんな星よりもキラキラな兄さんたちの笑顔、





どれをとっても一級品…♪」







血に塗れた戦場じゃない、

誰かを殺す為じゃない、

誰かの身を守る為でもない、



僕がこっちにくる前も少しだけイザコザがあったみたいだけど──でも、確かに兄さんたちはアイドルを全力で"楽しんでる"






「Aくん、すっごい良い笑顔〜‪☆」


「わわっ!急にカメラを向けないで?!」


「急にテンション上がったんだゾ!」


「あ、あはは」






はあ…まさかこういう話をする日が来ると思ってなくて、ちょっと興奮しちゃった



最近ちょっと無理しすぎたから、セーブしてかないとまた倒れちゃいそう…クルーウェル先生に怒られるのだけはもう勘弁なんだよね


あの先生、色々と怖いから…






「う〜ん。つまり、お前もアイドルしてみたいってことか?」


「ううん違う


エースたちに、踊ってほしくて」


「え?」







驚くみんなを横目に、僕は言葉を紡ぎ続ける







「ほら、あのときはみんな、瀕死寸前だったでしょ?」


「瀕死ってほどでもねーけど…まあ確かに?」


「僕は全力で楽しんで歌ってる君たちが見たい…





お願い。


僕の為にもう一度、

ステージに立ってほしい」

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初 。(プロフ) - 初コメ失礼します…!とても良いお話で見る度に凄い…好き…ってなりながら読んでました(泣)次の更新心待ちにしています…!!! (2022年9月12日 4時) (レス) @page25 id: 8fa79c3961 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さやかさん» 有難うございます!期待に応えられるよう、精一杯頑張ります! (2022年8月16日 19時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
さやか - お話投稿お疲れ様です!あんスタ×ツイステはあまりみかけないのでこういう小説があって嬉しいです!頑張ってください! (2022年8月16日 18時) (レス) @page19 id: 9aa8dafe93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年8月9日 20時

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