ぶりっ子は今日を生きる。【呪術廻戦】

【七海　健人】 ページ35

『えぇ〜♡凄ぃ♡外国の血が入ってるんだぁ♡かっこいいねぇ♡』






高専時代。



初めてAさんと2人で話した時に言われた言葉。



私の顔を覗き込むAさんの大きくキラキラ輝く瞳に、その中に、私の顔が映っているのを何故か自分顔じゃないように感じた。






＿＿＿＿思えば、あの時からずっと。









＿＿＿
＿＿＿＿＿＿…









「Aさん」




『ぃやぁ♡』




「Aさん」




『いやぁあだぁ♡』




「嫌ではなく。世間体を考えて下さい」




『むぅ♡健人が悪ぃんじゃぁん♡』







街中で、なんの脈絡も無く私の腰あたり抱き着いて来たAさん。



まともな人間なら引っ剥がすだろう。

勿論、私もそうした。




しかしながら、頭の方が盛大にイカれている彼女にとっては不服だったようで、背中によじ登ってきた。


ふざけんな。







「いや本当に。やめて下さいよ、私が可笑しい人だと思われるんですから」




『あっ♡健人そんなところ触っちゃだぁめぇ♡えっち♡』




「ぅ…すいません…」




『スカート捲れちゃうからしっかりおんぶしてっ♡』




「ッ〜ああもう！！！」






ずる賢いと言うか、自分のペースに乗せるのが上手いというか。


仕方なくAさんをおぶって歩くが、周囲の視線が怖いの一言に尽きる。






『ところで健人ぉ♡貴方結婚したのぉ？』




「…いえ」




『へぇ〜♡にしては良い胸筋よねぇ♡』




「意味が分からないですし揉まないで下さい。パワハラですよ」






いや本当に揉むなよ。


男の身体簡単に触っ…でもAさんだからそんなもんか。






『えへ♡Aまだ子供だからぁ、パワハラとか分かんなぁいっ♡』




「女子高生をおぶった大人が街中歩いてるんですから通報されてもおかしくない状況なのは分かります？？」




『ん〜、ふふ♡…本当、おっきくなったねぇ♡』




「！ちょっと、Aさんっ」





後ろから首に腕を回して抱き着いてきた彼女。



いやもう、勘弁してくれ…！

首の辺に柔らかいのが当たってるっ…！！






「子どもじゃないんですから自重して下さいよ…！」




『えぇ？子どもだもん♡』





「あのーちょっとすいません」




「…どちらさまですか」






誰だこの女性。


私がAさんと一緒にいるのにナンパ、は、流石にないだろう。

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