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#07 ページ7

「オカン呼んでくる。ちょっと待ってて」

ともの作ったご飯はほかほかと湯気を立てて美味しそう。
エプロンを外して二階へ向かったともの足音がぱたぱたと聞こえてくる。

オトンが居るって知ったら、あんなに開かずの間やった部屋のドアは簡単に開いたらしい。
やつれた顔に、濃すぎる化粧はめかし込んでいるのにどこか痛々しくて。
昔はともをそのまんま大人にしたみたいに美人で、優しそうな笑顔を浮かべる人やったのにな。

「じゃあ、いただきますしよか」

四人揃ったのにどこかぽっかり、穴が空いたみたいな食卓。
オトンとオカンの目が合わないのも大きいんやろか。
静寂に耐えきれなくてテレビのリモコンに手をかけた。

「二人とも学校にはちゃんと行ってるんか?」
「うん。遅刻することも休むことも滅多にないよな、とも」

こくん、と頷く。
居心地の悪さはともも感じてるらしい。
借りてきた猫みたいな姿に少し胸が痛んだ。





気ぃ張って疲れたのか、ともは早々に自分の部屋に行ってしまった。
そうすると俺も居間に残る理由もなくて。
睡魔なんてまだ二つくらい向こうの山に居る。
本棚から適当に見繕った漫画を読みながら、ベッドに寝転がる。
今日はオカンの部屋からの物音も聞こえてこない。
久しぶりの平穏や。



そう、思ってたのにな。



気づいたら眠りに落ちていたらしい。
すぐ横にほっぽり出された漫画のカバーを整えて本棚に直す。
喉が渇いて、台所に向かうと居間の電気が付いているのが見えた。

「…誰か起きてるん?」

ドアを開けようと伸ばした手が本能的に止まる。
なんで、って戸惑いとその光景の衝撃に、頭殴られたみたいに視界がチカチカする。

オトンの腕の中で、泣きそうな顔してるとも。
生まれたまんまの姿で、まだ華奢な白い体がオトンに無理やり抑え込められて。
意味わからん、なんでこんな、
あんなのが父親なんて受け入れたくない。
込み上げてきた酸っぱいものをすんでのところで堪えて部屋に戻った。

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ナナセ(プロフ) - 7129さん» お返事遅くなってしまってすみません💦 コメントありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いくださいませ◎ (2022年10月27日 17時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ナナセさん!待ってました〜🙌読み始める前から胸がぎゅんぎゅん締め付けられてます…月水金、楽しみにしてます!!! (2022年10月25日 22時) (レス) @page4 id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナセ | 作成日時:2022年10月24日 14時

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