・ ページ30
「ご存知やと思いますけど、神ちゃん、結構な恋愛下手なんで優しくしてやってくださいね」
「もうのんちゃん、余計なこと言わんでええから！」
「愛情表現してもらわないと、すぐ不安になるし、ほんまは甘えたいのに上手く甘えられへんし、それに…」
「小瀧さん」
もう、物理的にのんちゃんの口塞いだろか、って立ち上がりかけた時。
大毅の声がのんちゃんを止めた。
「悪いですけど、全部知ってるんで大丈夫です。俺がとものこと、一番知ってるんで」
ぽとん、とのんちゃんのトーストからトマトが落ちた。
「…大毅、そんな拗ねた顔せんで」
「やって。俺、小瀧さんの知らんとものことたくさん知ってる」
「うん、そうね。それでええから。のんちゃん、優しさで言うてるんやで？」
「…ふふ、そうは見えへんけどなぁ」
最後の余計な一言は�霤弔気鵑里發痢�
「悪いで自分。俺らのことからかってんねやろ？」
「そりゃからかいたくもなりますよ。こんな幸せそうな顔してる神ちゃん、久しぶりに見るから」
「すぐ顔赤なるしな。かわええやろ？でも、俺んやから」
大毅がそう告げると、のんちゃんは俺の方に向き直った。
「こんくらい言ってくれる人なら、神ちゃんも愛感じれて安心やね」
「あ…どうも…」
…俺も大毅のこういうところ、よう知ってます。
ほんで、試されてただけってわかって顔赤くなった大毅がたまらなく可愛くて、しゃあないです。
・
13時に合わせてまた来店すると告げて、一時帰宅。
分厚い贅沢なトーストのおかげで、だいぶお腹は満たされた。
「なぁー、この間買った漫画どこやっけ」
「えぇ、本棚に直したと思うけど…」
二人で漫画を捜索していると、大毅のスマホが着信を告げた。
「姉ちゃんからや。…もしもしー？」
席を外した方がいいかなと思って、少しだけ距離をおこうとしたら引き止められた。
「何？一昨日散々お礼言われたんやけど。殊勝な姉やなぁ」
ケラケラ笑った後、大毅は真面目な声で言う。
「ちょうどええ。俺も、話したいことあってん」
大毅のお姉さんは、またシュウがこっちに遊びに来てええ？って質問したくて電話をくれたらしい。(大毅の返答から察するに)
「ええよぉ。泊まりに来てや。俺らもシュウに会いたいし、姉ちゃんまだしばらくバタつくやろ？」
「うん、うん。わかった。…え？俺の話したいこと？急かすなや笑」
大毅の手に力が入る。
そっと彼の拳を掴むと、恋人繋ぎにかえられた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 576人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナセ(プロフ) - ナナイロさん» コメントありがとうございます。もったいないほどの褒め言葉！嬉しいです涙 次回作もぜひよろしくお願いいたします◎ (2021年10月19日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ななはちさん» コメントありがとうございます。ちょっと捻った始まりにしたかったのですが、無事に楽しんでいただけてよかったです◎ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (2021年10月19日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
ナナイロ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初から最後まで全部が好きでした！最後は幸せなかみしげが見れてキュンキュンしました♪次回作も楽しみに待ってますね！ (2021年10月18日 19時) (レス) @page32 id: e8246d4427 (このIDを非表示/違反報告)
ななはち(プロフ) - おまけの完結、おめでとうございます！！別れる所から始まるお話、どうなるんやろって思いながら読みすめて、最後は｢そうきたか！｣と言ってしまう位の展開で最高でした！次のお話はオメガで…楽しみにしてます！！！ (2021年10月18日 14時) (レス) @page32 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - りえさん» コメントありがとうございます。こちらこそ毎日お付き合いいただきありがとうございました！番外編もよろしくお願いします◎ (2021年10月17日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年9月25日 11時
