#23 ページ23
「お疲れ様です」
「ん、おお、神ちゃん。お疲れ」
「淳太さん、今お時間大丈夫ですか？」
大抵この時間は昼休憩でご飯を食べている淳太さん。
今日も例外やなくて、俺の言葉に軽く頷くと直ぐに席を立ってくれた。
「どしたん？」
「昨日はほんまありがとうございました。シュウが淳太さんに遊んでもらったことを帰ってから聞いて…」
「あぁ、ええよええよ」
シュウと大毅はバックヤードに入れへんから、お店の前で待ってもらっている。
淳太さんを連れ出して外に出ると、二人はぺこりと頭を下げた。
「重岡と申します。甥がお世話になりました。ありがとうございました」
「わざわざ来てもらってすみません、俺がシュウくんと遊びたかっただけやのに…」
「いやいや！ほんま助かりました！」
大毅が挨拶をしている間に、シュウが淳太さんの足に抱きついた。
「あ、シュウ、だめやで」
「ジュンと遊ぶ！」
「…神ちゃん、この子連れ去ってええ？」
「だめです」
「んもー、ほんっまかわええな！」
そんなに楽しかったん？と尋ねるとコクコク頷く。
えぇ、何したのか聞いてみよ。(ちょっと悔しい)
「せや。シュウくん、クッキーあげる！ちょっと待っててなー」
「はーい！」
…ん？
「ダイキ、トモ！ジュンがくれるクッキー、すっごくおいしいんやで！」
「そやなぁ、美味しいなぁ」
「ダイキも食べたことあるん？」
「うん。シュウは…」
「昨日ももらったの！」
もしかして、クッキー狙い…。
「シュウくん！」
「ジュンー！」
淳太さんに駆け寄っていくシュウの背中を見守りながら、大毅がボソッと呟く。
「…めっちゃ失礼やけどさ、淳太さん、舐められてへん？」
「俺もそう思う…」
まさかシュウにそんな下心があるなんて知らない淳太さんは嬉しそうにクッキーと、フィナンシェまで持ってきた。
ちょっと罪悪感。
「シュウ、お礼ちゃんと言うんやで」
「うん！ジュン、ありがとう」
「どういたしまして」
デレデレ。あー、上司のこんな姿、あんまり見たくないで。
「また困ったら連れてきてな！てか、保育園やなくてここで預かってもええよ」
「いや、誰が面倒見るんですか。淳太さんやって忙しいのに」
「俺がシュウくんを一流のパティシエに育てる」
「遠慮しておきます…」
シュウは誰かさんに似て猫被りが上手なようで。
大毅にだけ聞こえるように呟くと軽く肩をはたかれた。
「誰が大猫被りや」
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください！笑 (2021年8月31日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年8月27日 11時
