検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:85,240 hit

#21 ページ21

「ダイキ!見て!」
「うわ、すごーい!これシュウが書いたん?」

朝から元気なお二人。
今日は土曜日で、シュウも大毅もお休み。
…俺?俺は仕事ですが、何か。

「こっちがダイキで、こっちがトモ、真ん中が僕」
「上手やん!ともにも見せてあげて」
「うん!」

シュウが画用紙を手にこっちに駆けてくるから、支度の手を止める。
遅番の分、家を出るまでにはまだ余裕がある。

「わ、綺麗に塗れたなぁ」

三人が手を繋いでる絵。
きちんと、それぞれに矢印をふって名前まで書いてある。

「ともー、その絵飾ろうや」
「せやな。リビングの温度計の上とかええんちゃう」

画鋲、画鋲、と唱える大毅を慌てて止める。

「マスキングテープで貼っておいて!壁に穴開けたらあかん」
「あ、そか。どこやっけ」
「引き出しの二番目のところ、メモ帳の後ろ」

なんか、ええな。
子供の描いた絵飾るって、夢みたい。

「なぁ、貼る前にシュウのサイン書いてや」
「サイン?僕の?」
「そう、平仮名で書けるかなー?」

大毅がマステを発掘している間にシュウにペンを手渡す。
そんな奥に仕舞いこんだつもりはないんやけどなぁ、苦戦してるなぁ。

「かける!…ええっと、し、ゆ、う…」

できた!と見つけた!が同時に聞こえる。
思わず笑うと、大毅と目があった。

「えぇ、何笑ってるん?」
「シュウとハモってたから、思わず」
「あれ、ほんま?気が合うなー」

シュウの声聞こえてへんってどんだけ大きい声出してるん。笑
しゅう、と堂々描かれた文字の横に、今日の日付を西暦から書く。
いつか見返した時の思い出。
…あ、でも、一枚しかないから俺か大毅か、どっちかしか持って帰られへん。

欲しいからって、俺の名前も隣に書いたら怒られるかな。

#22→←#20



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (207 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
492人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。