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「ただいま」
ダイニングの電気がついているのが見える。
小さく深呼吸して、リビングへ続くドアを開けた。
“おかえり。冷蔵庫にサラダ入ってる。味噌汁は鍋の中”
大毅の少し不器用な文字。
あ、寝てるんや。
その事実にひどく安心した自分が居る。
期待も何も。
ずっと俺の方が大毅に溺れてた。
今やって。きっと俺の方が変な期待、してる。
「いただきます」
このまま時が止まったらいいのに。
・
・
・
…く、苦しい。
お腹の辺りが圧迫される感覚がして目を開く。
「あ!トモ起きた!」
「しゅう…おはよぉ…」
何故、お腹の上に。
戸惑いながら朝の挨拶をすると、私服に着替え、寝室に戻ってきた大毅が苦笑いする。
「今日土曜日やろ?ピクニック行こうって昨日の夜言うたら、張り切ってもうて」
「そっか、」
…起き上がれへん。
「ともも今日休みやんな?どう?一緒に」
「あー…うん、どうしよっかなぁ」
男二人で子供連れてたら浮くかな。
一番に思ったのは、人の目を気にする心配。
「トモも来る!」
「ふふ、シュウはともに来て欲しいんや?」
「うん!」
そんな、キラキラした瞳で見つめられると…。
「…男二人で行って大丈夫かな」
「もー、気にしなくてええのに。大丈夫。俺のこともでっかい子供やと思って。笑」
年上やのに、堂々とそんなこと言うなし。
そう思いながらも、口元が綻ぶのがわかる。
「よっしゃ!弁当作ろ!俺卵焼き作るから、とも唐揚げ作ってや♡」
「からあげ!!」
「ぅぐ…っ、ちょ、シュウ…お腹の上で跳ねんといて…!」
「ありがとな。せっかくの休みやのに」
二人で台所に立ってお弁当の支度をしてると、大毅が声をかけてきた。
「ううん。そんなん言うたら大毅やって、休みの日やし」
「俺はこういうのやりたいからええねん」
「…俺も同じやで。周りの目は気になるけど、シュウと仲良うしたいのは事実やし」
「え、俺は」
「それ真顔で言う…?」
「おん。なぁ、ともは俺のことどう思ってるん?」
お肉を揉んでいた手が止まる。
「どうって、それは…」
期待、させてるんやろか。
そんなもん振り切らなきゃ。わかってる、けど。
「三人、仲良く過ごせたらええと思ってるよ。乗りかかった船やし」
「うん」
「…うん。そう思って、ます」
大毅の真っ直ぐな視線から目を逸らす。
しまい込んだはずの本音が溢れそう。
ほら、やっぱり期待してるのは俺の方や。
今だって、大毅はまだ俺のこと好きでいてくれてるんやないかって、アホみたいな期待。
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時