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「いいか?お前はどうやら失念しているようだが、帰宅部は別に弱いわけじゃない。」
理解できない私のために、月島先生はわざわざ説明してくれるようだった。
「それに、運動部と文化部、どちらにも参加可能だからな。文化部に入ってくれれば心強いだろう。しかし、運動部に入られたなら、それは脅威となる。」
 確かに、と私は頷いた。思えば生徒会から配られた戦争のルール表には、帰宅部はどちらにも参加可能だ。一度決めたら参加は覆せないけれど、それでも自分で選ぶことができる。負けたくなかったら、有利な方に入ればいい。・・・ん?有利な方に、入ればいい?
 お馬鹿な私は、ここでようやく彼らの言うことを理解した。
この学園には三十人程の帰宅部がいる。どの部活にも同好会にも所属していない生徒達だ。
でも、だからといって運動や勉強ができないわけではない。「勉強ができないから、部活をせずに家で勉強」、そんな人は、まずいないだろう。何てったって、緑川学園の生徒達は皆、小学生に上がる頃から受験をして、高等部まで上り詰めてきたんだから。
部活に入らない理由は様々だと聞く。もっと勉強がしたい人、部活動や人付き合いが面倒な人、十人十色だろう。
 そんな帰宅部の生徒達にも、戦争への参加権は与えられる。運動部側と文化部側、どちらにつくか自分の意思で決められる。戦争へ参加するか、しないかは自由なんだ。
でも、きっとほとんどの帰宅部が参加するだろう。だってこの戦争、場合によっては学園の空気がガラリと変わるかもしれないんだから。
そして、彼らはじっくりと考えるはずだ。どちらにつけば、自分が負けないか。
 私は今まで、運動部と文化部、そして同好会のことしか考えていなかった。だから、見落としていたんだ。匙加減によっては、敵にも味方にもなる帰宅部のことを。
 そういうことですか、と私が呟く。ようやく分かったのかい、と言いたげな志樹の顔が見えた。
「帰宅部だからといって侮るなかれ。奴らの中には、強い個性を持った生徒も多いぞ。」
例えば南雲とかな、と月島先生が言って、ニヤッと笑った。それを聞いて、本郷くんの顔が強張る。
南雲っていうのは、私と同じクラスの女子生徒のこと。本名は南雲誄。女子生徒なんだけど、無駄に活発な・・・問題児だ。本郷くんを含む、私達文芸部と仲が良い。
 誄は何故か強い。もし、戦争に手を貸してくれるなら百人力だろう。でも、敵に回ったら・・・。
考えるだけで、全身に鳥肌が立った。

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幻影師(プロフ) - よもぎまんじゅうさん» アドバイスをいただけたのは嬉しいですが、活用できなくてごめんなさい。 (8月24日 12時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
幻影師(プロフ) - よもぎまんじゅうさん» アドバイスありがとうございます。 ですが、私は普通の小説のように書けることを目指しているので、申し訳ありませんが、行を多く空けることはできません。 (8月24日 12時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 幻影師さん» 会話と文の間に行を空けたら読みやすくなると思いますよ! (8月24日 11時) (レス) id: 6a924cb26b (このIDを非表示/違反報告)
幻影師(プロフ) - ルカさん» 読みにくかったですか・・・。携帯小説は書くのも読むのも苦手なものですから、行をあまり空けてないんですよね。すみません。 (8月17日 9時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - ごめんなさい…文字が詰められすぎていて読みにくいです… (8月17日 8時) (レス) id: 2e4f0b1721 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幻影師 | 作者ホームページ:http://adcadcadc  
作成日時:2016年5月14日 22時

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