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文芸部の部室には、私を除く昨日のメンバーが全員揃っていた。
「遅い!」
『ゴメン!』
息を切らした私に本郷くんが怒鳴った。反射的に、謝罪を返す。そんな私を、「まったく・・・」と言いたげな顔で志樹が見ている。もう慣れたけどね、とも続けそうな顔だった。遅刻して、悪ぅございましたね。悪いのは間違いなく私なんだけど、お説教でもしたげな志樹の雰囲気でどうも素直に謝れない。今の気持ちは思春期男子。いや、女子だけど。
「全員揃ったか?」
 部室の備品となっている椅子を探して部屋に入った私の後ろから、突然人が現れた。昨日も会ったけど、我らが文芸部の顧問、月島先生だ。いつもと何ら変わらぬ姿。眉間のシワも健在だ。大きな紙を丸めた束を、三本ほど担いでいる。
何で月島先生が、と誰かから声が漏れた。小さな声だったから、誰の声かは分からなかった。今回の戦争は生徒の先生なのに、どうして月島先生がここにいるのか。声が言いたいことは、そんなところだろうか。
「俺が呼んだ。」
 私が暇潰しに声の特定を始めるより早く、本郷くんが言った。月島先生は味方だろ、と。それに皆で頷く。
確かに、月島先生は私達の味方だった。運動部を贔屓したりしないし、日和見の先生みたいに私達を蔑ろにしない。ちゃんとした、良い先生だ。文化部にだって信頼されてる。だから、少なくとも私は彼がここにいることを歓迎していた。さっきの声だって、誤解されそうな言葉だったけれど、本当は月島先生は信頼しているはずだ。
 異論はないか、と月島先生。ねぇよな、と本郷くんが言った。ありません、と二人を除く私達が叫ぶ。
「そうか。では、始めるぞ。」
 部室の隅に置きっぱなしにされているホワイトボード。それを引っ張ってきた月島先生が、私達に机をくっつけるよう促した。暗に会議の形体を取るようにと言っているのだ。
全員が一つずつ運んで、月島先生の机を一番前にしてくっつける。机の数は合計、七個になった。
「今後の作戦についての会議を始める。全員、席につけ。」
持ち前の低い声で、月島先生が会議の開始を宣言した。始まるんだ、そう思うと私の顔は引き締まる。
 全員が座ったのを見て、月島先生は担いでいた紙の束を下ろした。その内の一つを広げて、ポケットから取り出したマグネットでホワイトボードに止める。
充分に広がった紙を見て、最初に気付いたのは志樹だった。

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幻影師(プロフ) - よもぎまんじゅうさん» アドバイスをいただけたのは嬉しいですが、活用できなくてごめんなさい。 (8月24日 12時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
幻影師(プロフ) - よもぎまんじゅうさん» アドバイスありがとうございます。 ですが、私は普通の小説のように書けることを目指しているので、申し訳ありませんが、行を多く空けることはできません。 (8月24日 12時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 幻影師さん» 会話と文の間に行を空けたら読みやすくなると思いますよ! (8月24日 11時) (レス) id: 6a924cb26b (このIDを非表示/違反報告)
幻影師(プロフ) - ルカさん» 読みにくかったですか・・・。携帯小説は書くのも読むのも苦手なものですから、行をあまり空けてないんですよね。すみません。 (8月17日 9時) (レス) id: 53f0381c40 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - ごめんなさい…文字が詰められすぎていて読みにくいです… (8月17日 8時) (レス) id: 2e4f0b1721 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:幻影師 | 作者ホームページ:http://adcadcadc  
作成日時:2016年5月14日 22時

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