思春期と、初恋と、君と。 (ページ3)

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おかしい。 O side ページ3

最近チョロ松がおかしい。

中学の時は委員会なんかサボって俺と遊んでたのに、「委員会があるから先帰れ」って突き放すし。

中学の時は俺と色違いのパーカーを学ランの下に着てたのに、「校則違反だろ」っつって首元のボタンまでしっかり閉めてるし。

中学の時までは、俺の傍にいつもいたのに。

中学の時は、中学の時は…。

「…はーぁ…」

両手の指の数では数え切れない程のあいつの変化に俺は思わず深いため息をついた。

それは誰もいない通学路に静かに溶ける。

俺は寒くもないのに、おもむろに学ランのポケットに手を突っ込んで歩き出した。

思い返せば、チョロ松に初めて違和感を感じたのは４月に入ってすぐのこと。

春と言えども夜はまだ若干肌寒く、その日は妙に体が冷えて珍しく夜中に目が覚めた。

野郎６人がぎゅうぎゅうに詰まって眠る布団で暑苦しいとは感じても、寒い、なんてことは今まであまり無かった。

何故寒いのか、それは起き上がり周りを見渡したらすぐ分かった。

チョロ松が俺に背を向けて隣の十四松にくっつくようにして眠っていたことにより出来た俺との隙間。

ありゃ、珍しいな、コイツがこんな寝相わりーの、

なんてそう軽く捉えて気にせずに眠りについた。

…それがたまたまじゃねぇんだよな、これが。

チョロ松はその日から、俺の方を向いて寝ることが無くなった。