【刀剣乱舞】盲目剣士

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ーー鎮まり給え、鎮まり給え。凪の海のように、その荒ぶりし御霊鎮まり給え。

何故に憤る？何故に悲しむ？何故に憎む？御霊よ、御霊よ、応え給え。

『望む、望む、我が心を満たせしモノを我は欲す』

荒御魂、その血潮の如き瞳を矮小な人間へと向けた。応えたり、応えたり、御霊は心を満たせしモノを欲する。

かの御霊を荒ぶらせし一族は、その穢れた手で一人の幼き子を差し出した。

『この子、いと美しき瞳を持つ者。片や赤き血の瞳、片や空よりも澄み渡りし水の瞳。この瞳は美しき世界を映せしモノ。これを捧げん』

一族の長は言う、そうして幼子を荒御魂の元へと無情にも差し出した。荒御魂はニタリとその口を歪め、その鋭き爪を幼子の瞳へと動かす。

『良い、良い、我はコレを欲す。捧げよ、その瞳を我が物にせん』

そうして、次の瞬間。瞬く間もなく、幼子の悲痛なる叫びが辺りへと木霊した。その両の目からは、ぼたぼたと鮮血が滴り落ちている。

ーーその日、とある幼子は己が瞳を荒御魂へと奪われた。そして、その瞳は二度と世界の光を浴びることを赦されることは無かった。執筆状態：連載中