ep.15 ー 隼 side ー ページ29
テーブルの上で、ブッって短く震える携帯。
まだ余韻に浸っていたくて気づかないふり。
ブッ
ブッ
ブッ
『電話鳴ってるよ?』
「うん…」
ブッ
ブッ
あーもう、いいとこなのに
誰だよ!
あまりにもしつこくて
Aから腕を解いて、携帯に手を伸ばす。
亜:今頃隼チュウしてんのかなー?
玲:またヒヨってんじゃない?
龍:男はもっと強引にいかなあかんわ
裕:電話したろかな
涼:ダメだよ、邪魔しちゃ
メ:何の話?
龍:明日隼、唇ぱんぱんだったりして
亜:チュウし過ぎたら唇荒れるからね
メ:ねえ、ねえ、何の話?
メンバーのグループトークが俺の話題で盛り上がっていて
読んでいる間も、ブッブッブッブッ会話が増えていく。
『どうしたの?』
「な、何でもない!」
後ろから覗きこんでくるAから隠すように
慌てて携帯の電源を切ったけど…
これで明日唇腫らして行ったら
何を言われるか…
むしろそっちの方が気になっちゃって
部屋の中の甘い空気が薄れて
どんどん現実に引き戻されていく…。
ん?って不思議そうに俺を見るA。
いつもAに言われっぱなしだから
一つだけ…
ちゃんと俺から伝えておかなくちゃ。
ソファに座りなおして、Aの方を向く。
「俺は、その…Aに色気なんてなくても、キスとかしたいって思ってるから」
『色気はないんだ』
「そこは何とも…」
『もうっ』
「大丈夫!Aは俺の知ってる女の子の中で一番イケてるから」
『ばかにしてる?』
「してないって」
Aがクッションでぼんぼん叩いてくるけど
表情は幸せそうな笑顔で
ふざけて言ってるけど
本当だよ?
『他の女の子のとこにいかない?』
「へ?何の話?」
『何でもない』
玲於に何を吹き込まれたのか。
クッションを抱えて
ふふって笑うAに、愛しさが増していく。
色気なんてなくても
Aとキスしたいって、俺は思うから…
昨日よりも、もっとAを好きになる。
ゆっくり
俺たちのペースで一緒に歩いていこう、な?
〜 キミとKISS end 〜
524人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あず(プロフ) - しゅうさん» コメントありがとうございます。不器用な隼くんを描くのは私も楽しかったので、また機会があれば描いてみたいと思います(^^) (2018年7月26日 23時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - 隼くん。めっちゃ良かったです!不器用さにきゅんきゅんしました!隼くんの小説少ないので、ぜひもっと書いて下さい★ (2018年7月22日 19時) (レス) id: 9acbcf9b49 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - えりなさん» コメントありがとうございます。よろしければもう少しお付き合いください(^ ^) (2018年3月3日 1時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - とても良かったですキュンキュンしました (2018年2月25日 19時) (レス) id: 7f525f8379 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - NaTsuKiさん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)後もう少しなのでお付き合い下さい。 (2018年2月24日 9時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あず | 作成日時:2017年3月18日 20時