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ー好き
間違いなくそう言った。
もちろん私に…だよね?
ずっと好きだった人が
私に言った言葉だよね?
『もう1回!』
「何でだよ」
『…聞こえなかった』
「ぜってー、嘘」
『嘘じゃないもん』
「顔ニヤケてんのに?」
もう一度聞きたくて、とぼけてみても
頬の緩みは隠せない。
この瞬間…
隼と、私の関係は変わったの?
でもまだ実感がないんだもん。
『私って、隼の“彼女”…?』
“彼女”って
自分で言って
ドキドキする響き…。
「さあ、どうでしょー」
友達だった頃と
何か変わったのかな…
「…手でも繋いでみる?」
目の前に差し出される手のひら。
『え、隼と?』
「嫌なのかよ」
『嫌、じゃないけど…』
なんか…くすぐったいんだけど。
「じゃあいい」
躊躇う私に隼はしびれを切らして
ポケットに手をしまって立ち上がる。
『待って!』
思わず叫んで一緒に立ち上がって
『繋いであげてもいいよ?』
「え、俺は別にいーし」
『わ、私だって…』
一度ポケットにしまわれた手は
なかなか出てきそうにない。
『はい…』
今度は私から右手を差し出してみるけど
「ん」
やっと目の前に現れた手のひらは…
いや、遠いし。
お互いの指先が
触れそうで、触れない距離…。
私たちって…
今更甘い雰囲気になんのかな。
“友達”が長過ぎて
なんかもう無理なんじゃないかなんて
そんな悲しい事が、一瞬頭をよぎる。
そんなの、、嫌だ…!
思い切って手を伸ばして
ぎゅっと、隼の大きな手を握った。
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あず(プロフ) - しゅうさん» コメントありがとうございます。不器用な隼くんを描くのは私も楽しかったので、また機会があれば描いてみたいと思います(^^) (2018年7月26日 23時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅう(プロフ) - 隼くん。めっちゃ良かったです!不器用さにきゅんきゅんしました!隼くんの小説少ないので、ぜひもっと書いて下さい★ (2018年7月22日 19時) (レス) id: 9acbcf9b49 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - えりなさん» コメントありがとうございます。よろしければもう少しお付き合いください(^ ^) (2018年3月3日 1時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - とても良かったですキュンキュンしました (2018年2月25日 19時) (レス) id: 7f525f8379 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - NaTsuKiさん» コメントありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)後もう少しなのでお付き合い下さい。 (2018年2月24日 9時) (レス) id: 7a47056526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あず | 作成日時:2017年3月18日 20時