story 46 ページ46
時計を見るともう大学に向かわないといけない時間。
まだ一緒にいたいのに…。
次とか、本当にあるのかな…
未だに信じられない。
『今日は…仕事ですか?』
「今日はオフだから映画でも見に行こうかなあって」
『一緒に行きます!』
「大学は?」
『サボります!』
「いや、ダメでしょ」
『だって…』
このまま離れるなんて…
「じゃあ、初めてのデートで行こうか?」
『デートって…誰との、ですか?』
「俺とAちゃんの、でしょ?」
それって、それって…
『いつですか!?』
「その番号、ちゃんと俺のだから登録しといてね」
必死な私をするりと交わす涼太くん。
面白がられている?
でも涼太くんが嬉しそうなら
細かい事なんてどうでもよくなるぐらい幸せだから…
『分かりました!』
「ぷはっ、単純っ」
近くでこの笑顔が見れる幸せを
静かに噛み締めていた。
.
「大学いってらっしゃい」
反対方向の涼太くんとは、駅の改札でお別れ。
一歩進んで、振り返ると
涼太くんが私に向かって手を振っている。
もう一度振り向いたら
消えてたりとか…しないよね?
大丈夫だよね?
何度も何度も確かめるように振り返って
全然前に進まない。
「何回振り向くんだよ」
早く学校行けって、しっしっと手を振る涼太くん。
ダメだ…。
やっぱり離れたくない…。
涼太くんに向かって走り出す。
「ちょっ…」
戸惑う涼太くんをぎゅうっと抱きしめて
『大大大大、大好きです!』
「もう分かったから…」
呆れているけど
嬉しそうな声が上から降ってきて
ポンポンとなだめるように
背中にあたる涼太くんの手のひら。
『ずっと、好きでいていいですか?』
涼太くんの丸くなった目をじっと見つめて
ずっとずっと、言いたかった事。
「うん、ずっと好きでいて?」
ふっと
王子様が私を見つめて、優しく微笑む。
ふわりと抱きしめ返してくれる腕。
トクントクンと
涼太くんの心臓のリズムが身体に響いてくる…
温もりも、この音も
もう、夢じゃない。
解けない魔法。
もう王子様は絵本に返らないー
王子様に恋をして
初めて本気の恋を知って
傷みも、幸せも覚えて
王子様にとっての…
たった一人のお姫様になる。
〜 王子様に恋して happy end 〜
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あず(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです^_^また機会があれば、描いてみたいなと思っています。 (2018年7月22日 10時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました^_^ このお話大好きです。完結してますが、この後のお話を読みたいです。ぜひ、お願いします。 (2018年7月6日 21時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あい*さん» 待って下さっててありがとうございます!ゆっくりかもしれませんが、とりあえず完結目指して頑張ります! (2016年10月10日 10時) (レス) id: 86d1389d64 (このIDを非表示/違反報告)
あい* - ずっと続きが気になっていたので更新再開嬉しいです。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: aeb27fa9d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - わいさん» 放置し過ぎてごめんなさい!これから更新頑張ります!まだ興味があれば、見てくださると嬉しいです(^ ^) (2016年10月5日 12時) (レス) id: ab09cdb9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あず | 作成日時:2015年7月19日 13時